「世界一簡単な電力自由化講座」では、電力自由化で変わる仕組みについて説明しました。
電力自由化を知るためのポイント1として今回は
電力自由化のメリット・デメリット
について考えます。
電力自由化のメリットとは?
大きく分けるとメリットは4つあります。
・料金が下がる
・他のものと合わせて契約することができる
・電源を選べる
・電気使用の状況の見える化が進む
の4つです。一つずつ見ていきましょう。
料金が下がる
一番大きなメリットはこれでしょう。
電力自由化することによって電気料金や他の料金を下げることができます。
他のものと合わせて契約することができる
各電力会社は提携や自社の他サービスと電力のセットを用意しています。
通信やガス、保険など月々支払っているものと電気を同じ会社との契約にする事で
セット割が適応されたり手続きが楽になったりします。
電源を選べる
今は一般電気事業者(地域電力)が発電電源の割合を一括して決定しています。
原発で発電された電気を買いたくない方や、再生可能エネルギーを重視したい方は
それらの電源を積極的に使用している電力会社を選ぶ事が可能になります。
電気使用の状況の見える化が進む
電力自由化に合わせてスマートメータの普及が本格的に始まります。
今までは1カ月単位でしか把握できなかった電力使用状況を
分単位で把握することができるようになります。
電力自由化のデメリットとは?
メリットが多いと言われている電力自由化ですが、デメリットはあるのでしょうか?
・料金が上がってしまう可能性
・電気プランが複雑になってしまう可能性
があります。
詳しいデメリットは「電力自由化のデメリット」でまとめています。
料金が上がってしまう可能性
海外の電力自由化の事例を見てみると自由化によって電気料金が上がってしまった例があります。
詳しくは「電力自由化の海外事例」をご覧ください。
電気プランが複雑になってしまう可能性
何百社もの新しい電力会社が新規参入するため電気プランが多様化します。
各社がいくつも電気プランを用意するとなると、
比較検討して最適なプランを選ぶのが大変になってしまいます。
今は地域ごとに10プランずつほどしかないのに比べると非常に複雑になる可能性があります。
詳しくは「ポイント4:電力自由化で生まれる新電力」をご覧ください。
停電のリスクは非常に少ない!?
電力自由化のデメリットとして真っ先に思いつくのが停電のリスクですね。
実は、電力自由化によって、停電が頻発してしまう、という可能性は非常に低いです。
30分同量の原則が適応される新電力
貯めておく事ができない電気は常に需要と供給を一致させて置かなければいけません。
これを「同時同量の原則」といいます。
一方で、新電力には「30分同量の原則」が適応されます。
瞬間ごとの需要が供給を上回った場合でも、30分ごとの需要と供給が一致していれば良いというものです。
不足した分は一般電気事業者が負担するので、電気単価は高くなりますが、停電は起きません。
発送電分離による安定供給の確保
電気を作る部門(発電)と電気を売る部門(電力小売)は自由化されます。
一方で、電気を送る部門(送電)は自由化されません。
2020年までは今の一般電気事業者が担い、それ以降は部門を切り離して別会社として運営されます。
つまり、今まで通りきちんと各家庭まで電力が届けられるということです。