福岡県みやま市が、地方自治体としては日本で初めて電力事業に参入。
電力自由化によって多くの企業が、新電力会社として電力事業に参入しています。
このような背景の中で、いわゆる一般的な法人だけでなく地方自治体もぞくぞくと電力事業に参画しています。
福岡県みやま市は他の地方自治体に先駆けて、電力事業に参画しました。今回は、このみやま市のご紹介をしたいと思います。
みやま市は、九州の民間企業2社と合同で「みやまスマートエネルギー」を設立しました。
今年4月から市の公共施設に対して事業を開始しており、2016年4月の自由化後は、
電力と市民への生活支援サービスをセットにして、市内の一般家庭向けの電力販売も実施する予定です。地方自治体としては、こういった取り組みは日本発となります。
みやま市がタッグを組んだ会社は九州スマートコミュニティ株式会社と株式会社エプコです。
みやま市は報道資料で下記のように各事業体の役割を発表しています。
みやま市
公共エネルギーサービスの仕組み構築を先導する。
収集されたデータやノウハウを蓄積・分析することで市のエネルギー政策に反映させます。
九州スマートシティ株式会社
地域に密着したユーザー接点サービスを充実して、地域コミュニティの形成を図ってまいります。
株式会社エプコ
PPS 事業に必要なシステムやノウハウを提供します。
エプコの持つ PPS 支援トータルパッケージ「ENESAP」は、PPS を目指す自治体に対してコンサルティングから
需給管理、請求業務やユーザー向けサービスをクラウドサービスで一括して提供するサービスです。
みやまスマートエネルギーに必要な業務をトータルパッケージとして提供します。
これらの組織が連携して、福岡県みやま市へ向けて電力を提供していきます。
提供対象は、住宅、小規模施設、公共施設、産業施設です。住宅向けの電力販売では、電力とセットで高齢者見守りサービスを提供する予定です。
このサービスは、スマートメーター等の機器によって、高齢者方が普段どのように電気を使っているかを「見守りセンター(コールセンターのようなもの)」がモニターし、
普段と異なる電力使用をした場合、その方の家族が保有するスマートフォンやタブレットに対し、警告が送られるというものです。
例えば、普段は午前8時に起きた段階で電気を使い始めるのに、午後1時あたりまで全く電力の使用がなかった場合などに
見守りセンターがそれを感知し、家族に対して警告の連絡をします。
まとめ
みやま市のように、特定地域に対して、地域企業が地方公共団体と共同して電力企業を設立し、地域の公共・産業施設へ電力を販売する、
住民へは電力を上記の福祉サービスとセットで販売する企業は今後増えていくでしょう。
これにより、地域経済の活性化のみならず、地方自治体として、電気を通した密なコミュニケーションをとることが可能になります。