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格安SIMはなぜ安くなる?
参入費用、運用費用を抑えてユーザーに還元
通信サービスを導入、維持するためには、無線基地局などの様々な機材を設置、維持する必要があります。しかし、格安SIMを提供しているMVNOはこれらの設備を自社で用意せず、Docomo、auなどから借りてサービスを行っているため、レンタル料以外の費用を掛けずに、サービスを提供できるため、現行の通信キャリアよりも安価にサービス提供ができます。
また、大手通信会社では端末を開発したり、新規技術の研究などを行っていますが、MVNOではこれらを行わず、サービスや端末を絞って提供できます。
MNOでは店舗や電気店などの対面式販売が主流となっていますが、MVNOの場合には通販での購入が主体となっており、店舗運営にかかるコストを削減している面もあります。(サポート面でも店舗での交換や無償対応は行われないことも多い)
コストを削減して低価格を実現しているため、ユーザー側もある程度の知識が必要になり、導入・運用にあたってサポートが必要と考えている方には、格安SIMは避けた方がハードルが高いかもしれません。
※DIMEを参考に編集部で作成
本体によって利用できるSIMカードは違う
3種類のSIMカードを端末に合わせて選択する
SIMカードと言うと同じ規格で統一されている印象がありますが、実際にはメーカーなどによって3種類使用されています。現在はナノSIMカードが多く利用されており、iPhoneのSIMとしても採用されている。Androidの場合には、マイクロSIMが多く採用されており、ASUS製のAndroidスマートフォン「Zen Fone GO」では複数のマイクロSIMが利用できるようになっているなど、端末やメーカーによって異なるので注意が必要です。
当初は標準SIMカードが広く使われていましたが、現在では対応している機種が減少しており、一部にはマイクロSIMと両対応のものも販売されている。
SIMはサイズが変わると使用できないが、アクセサリーとしてサイズ変換可能なアダプタが入手できものもありますが、アダプタがスロットから抜けなくなるなどのトラブルも報告されているため、使用には注意してください。
SIMを入手するなら
通販でも店頭でも入手が可能
手続きがほとんど必要ないデータ用SIMなら通販の方がおすすめです。SIMを受け取ったら専用サイトから支払い情報を登録するだけで利用開始できます。通話もできるSIMは店頭での購入の方が簡単です。本人確認の必要もあるため、家電量販店などの専用カウンターで手続きを行った方がストレスなく契約でき、トラブルも起きにくいです。もちろん店頭でデータ用SIMを購入したり、通販で通話用を購入することも可能なので、自分の予定などに合わせて購入方法を選ぶことをお勧めします。
プランはどんなものがある?
データ専用プランなら格安で利用できる
販売している会社によって色々なプランがありますが、基本的にはデータ専用と通話付き、SMS付きの3種類が多いです。音声通話プランは固定電話や携帯電話などへの通話を行うなら必須と言えますが、データのみのものと違い、費用が1000円程度高くなる場合があります。通話が友人だけの場合や、固定電話に掛ける予定が無い場合、通話用に別のスマートフォンを持っている場合などにはデータ専用のものを購入すると安くできる可能性が高いです。また、LINEなどを使用する場合にはSMS付きプランを契約する必要があります。
自分の端末を使う時の注意点
使用周波数が対応しているものと契約しよう
通信に利用される周波数はDocomoとauで違いがあるため、使用する端末によってはSIMを購入しても使えない場合があるので注意が必要です。もちろん両方の周波数に対応している端末も販売されていますが、片方のみとなっている製品も多いので注意しましょう。Androidスマホの場合には特にこの傾向が多く、契約時には自分の端末がどちらの周波数かを調べておきましょう。
iPhoneの場合は、現在国内で販売されているiPhoneやiPadでは、キャリアで購入したものでも自由にSIMカードを選択可能となっており、幅広いMVNOを選択可能です。
注意点
使えないなんてことが起きないようにしっかり確認しておこう
利用料も安く、様々な機能も利用可能な格安SIMカードだが、組み合わせによって利用できないサービスや、そもそも利用できないサービスもあります。組み合わせによって使えなくなるサービスはデザリング、Docomo系SIMとSIMフリー端末の組み合わせなら問題なく利用できますが、白ロム端末では利用できません。これはロック解除済みでも同様なので注意が必要です。
au系SIMの場合には、SIMフリーのAndroid端末とauのAndroid端末がデザリングが可能となっています。
海外での利用についても制限があり、通話は可能だがデータ通信は行えません。もしデータ通信を使用したい場合には対応している端末を用意し、現地でプリペイド式SIMを購入する必要があります。
また、キャリアメールが利用できなくなる問題があるため、場合によっては不便に感じる場合もあります。現在はSMSサービスを利用して対応は可能ですが、メールのみでしかやり取りできない相手の場合には送信できない可能性もあるので注意が必要です。
SIMを設定する
自力で設定することが多いSIM
Docomoやau、Softbankで契約した場合には、通話や通信の初期設定は契約時に店舗側が行ってくれるため、失敗することはあまりありません。しかし、格安SIMの場合には自力で通信の設定などを行う必要があり、少々敷居が高くなります。
Android端末の設定は新しいアクセスポイントの設定からSIMに対応したユーザー名などを登録する手間が掛かりますが、一部のMVNOなら端末内にあらかじめ設定データが用意されている可能性があるため、切り替えるだけで使用が可能になるものもあります。
iPhoneは通信プロファイルが業者のサイトで配布されている事が多く、ダウンロードして導入するだけで利用可能になる。どちらも通信環境を別に用意しなければ導入できないため、あらかじめ自宅にWifi環境を作っておくなどの準備を行うことでスムーズに設定することができます。
もし用意できない場合や、設定を行う自信が無い場合には、店頭で購入して手続きをサポートしてもらいましょう。
格安SIMの速度を調べる
格安SIMは速度が遅い?チェックしてみよう
格安SIMに限らず、通信速度は様々な要因によって変動します。特に通勤電車内や夕方過ぎなど、利用者が多かったり集中する場所では速度の低下が顕著に表れてしまいます。あまりに通信速度が遅くて不安に感じたなら、一度計測アプリを導入して実際の通信速度を計ってみましょう。計測用のアプリはGoogle Play、iTunesなどで手軽にインストールできます。
通信速度が遅い場合には、スマホを再起動したり、移動すれば改善する可能性もありますが、それでも遅い場合は大手キャリアに比べて設備面で弱いため改善しない可能性もあるので、問合せをしてみましょう。
通信量がプランの上限に達してしまった時は
チャージすれば通信量を増やせる
キャリアの契約でも発生することがありますが、格安SIMカードにも通信量の上限が設定されています。もし動画や写真などをやり取りする機会が多く、データ量を上限まで使用してしまった場合には速度制限が課せられてしまいます。これを解除するためには、通信量を追加で購入することで解決できます。どの業者でも追加購入が可能なので、確認しておくとよいでしょう。
慢性的に通信料が上限を超えてしまう場合には、契約プランの変更も視野にいれましょう。毎月追加で支払いを行っても良いですが、あらかじめ大容量に対応したプランの方がデータ量あたりのコストは安くなる点や節約を考えるなら、重いデータは自宅でWifi経由でやり取りを行うか、駅などにあるフリーWifiを活用するとなど工夫して料金とデータ通信量を減らす努力をしましょう。
通話料を削減する
通話量を削減する方法はたくさんありますよ
音声通話付きの格安SIMカードを契約すると、通話時間で料金が加算されていくことが多いです。会社によって5分間まで定額というオプションプランもありますが、どうしても通話が長引いてしまうと余計な費用がかかってしまうのが現状です。
設定した時間で通話を終了するアプリもありますが、会話中に急に切断されてしまうので少々使いにくく感じてしまうこともしばしば。そこで、同様のアプリを使用して遮断ではなく通知させるように設定しましょう。通話開始から3分経過するとバイブレーションで知らせるようにしておけば、会話を終了させるだけの時間が確保でき、通話料金も掛からずにすみます。
SIMカードの利用を停止する時は
契約期間は把握しておこう
業者の規約にもよりますが、概ねデータ用の場合には手数料や違約金は必要ない事が多いです。しかし、音声通話プランの場合にはほぼ確実に利用期間が設定されており、期間が経過する前に解約してしまうと違約金を求められてしまいます。全く利用する予定が無いのに契約を続けるのは勿体ないと思ってしまうが、違約金を考えるとそのまま期限まで待った方が安くつく場合も多いので、契約期間もしっかりチェックしましょう。