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皆様は、蛍光ランプにも種類があり、適切な選び方が省エネにつながることをご存知ですか?
それはワット数や大きさ、色味だけではありません。
照明器具の点灯方式に応じた蛍光ランプが発売されています。
この中には、長寿命や省電力をうたうタイプもあります。
蛍光ランプを省エネに配慮しつつ選ぶためにはどのような点に注意が必要なのでしょうか。
これから詳しくみていきましょう。
蛍光ランプ〜型番で種類を見分ける〜
蛍光ランプはその形状に応じて、大きく以下の4種類に分けられます。
これは型番を見ればわかります。例えば、FLR40SD/M/36や、FCL30ENX/28というように書いてあります。
型番からは以下のことがわかります。
1)最初の2文字または3文字のアルファベットは、蛍光ランプの種類を示します。以下の項目で詳しく解説します。
2)その次の数字は、ワット数を示します。電球型蛍光灯を除いてはワット数に応じて長さ又は口金の形状が決まっているため、ワット数の異なるランプの取り付けはできません。
3)数字の後にあるアルファベットは管球の太さ、または色味を示します。
S…細いもの、SS…さらに細いもの
D…昼光色(青白い光)、N…昼白色(自然な色)
L…電球色(白熱電球のような色)
4)EXは、三波長形を示します。色がきれいに再現される蛍光ランプです。
5)スラッシュの後に数字が書かれている場合は、省電力形であることを示します。後ろの数字が実際に消費する電力です。
4種類の蛍光ランプ 〜その特徴と見分け方〜
それでは型番の最初の文字である「蛍光ランプ」の種類についてそれぞれの見分け方と特徴について見てみましょう。
1.直管形蛍光ランプ
棒状の蛍光ランプで、スタータ形(FL)、ラピッドスタート形(FLR)、高周波点灯形(FHF、インバータ形)の3種類があります。
スタータ形は点灯に際し、点灯管(グロー)が必要になるタイプです。照明器具には点灯管の差込口がありますので比較的簡単に見分けられます。
スイッチをONにした後、点灯までには1~数秒かかります。省電力形のランプもあります。
ラピッドスタート形は点灯管を不要にしたタイプで、スイッチをONにした後素早く点灯します。省電力形のランプもあります。
高周波点灯形はHfマークのついた器具で使用するもので、従来の蛍光ランプと同じワット数で20~25%明るくなっています。
またちらつきも少ないことが特徴です。
また高出力点灯モードでは従来の蛍光ランプの1.5倍の明るさとなります。
後ろにH3という文字があるランプもあります。これは長寿命形であることを示しています。
2.環形蛍光ランプ
円の形をした蛍光ランプで、スタータ形(FCL)と高周波点灯形(FHC)に分かれています。
ワット数に応じて円の大きさが変わることが特徴です。
3.電球形蛍光ランプ
丸い形をした蛍光ランプです。口金のサイズによって大きくE17とE26の2種類に分けられます。
また形状によって電球タイプ(EFA)、ボール電球タイプ(EFG)、カバーのガラスが無いグローブレスタイプ(EFD)に分かれています。
4.コンパクト形蛍光ランプ
複数本の短い蛍光ランプを束にして結合したタイプです。
蛍光ランプの長さや本数とワット数に応じて型番が決まっています。
省エネ、節電につながるランプ選びと注意点
この4種類の蛍光ランプはそれぞれの注意点が異なります。また、省エネタイプがないものも存在します。しっかりと見極めて安全に省エネ、節電をしていきましょう。
1.直管形の場合
スタータ形とラピッドスタート形の場合は、型番の後ろにスラッシュと数字がついている省電力形のタイプを選ぶと、約1割の消費電力削減が期待できます。
なお、照明器具の方で「省電力形の使用不可」と記載されていないことを確認して下さい。
長寿命タイプはスターター形やラビットスタート形では使えない!
高周波点灯形には省電力形というタイプはありませんが、長寿命形タイプを選ぶと交換の手間が省けて便利でしょう。
高周波点灯形の蛍光ランプは長寿命ですが、これをスタータ形やラピッドスタート形の器具に取り付けても基本的に点灯しません。
仮に点灯したとしてもランプが加熱する、照明器具故障といった不具合の原因となります。
「長時間使える」という文字は魅力的ですが、お使いの照明器具にHfマークがある場合にのみ使えますので注意が必要です。
スタータ形やラピッドスタート形の照明器具についても同様です。
照明器具に合ったランプを選びましょう。
また、スタータ形の蛍光ランプには「インバータ方式にも使えます」という記載がされている場合があります。
この蛍光ランプを高周波点灯形の照明器具に使う場合は、照明器具の側でも対応していることを確認する必要があります。
取扱説明書等で確認することをおすすめします。
ランプフリータイプも存在するが、、
なお高周波点灯形の照明器具の中には、ランプフリーのタイプもあります。
この場合は直管形ならどのランプも使えますが、費用対効果ではやはり照明器具に合ったFHFタイプのランプが優れています。
2.環形の場合
スタータ形については省電力タイプが主流で、約5~10%の省エネが可能となります。
積極的に選びましょう。但し照明器具の方で「省電力形の使用不可」と記載されていないことを確認して下さい。
一方、高周波専用形には省電力タイプはありません。
3.電球形の場合
特に省エネタイプはありません。
口金が合えばワット数の低い蛍光ランプを取り付けることも一つの方法ですが、その分暗くなることがデメリットです。
なお電球形蛍光ランプは、明るさを調節する調光器具のついた照明器具では使用できません。
100%の明るさに調整してあっても使えません。
蛍光ランプの寿命が短くなったり、照明器具の破損の原因になったりしますので、他の調光器具に対応したランプを使用しましょう。
4.コンパクト形の場合
ワット数によって照明器具の口金が異なります。
従って省エネのために低いワット数の蛍光ランプを用意しても、口金が異なるため取り付けそのものができません。
また省電力形もありませんので、色味を選ぶ程度しか選択の余地はありません。
まとめ ~取扱説明書をよく読み、省エネにつながるタイプの蛍光ランプを選びましょう~
蛍光ランプの種類はたくさんありますが、実際に選ぶ場合は照明器具によってほとんど指定されてしまうことが実情です。
私達は省エネ形という言葉に飛びつきがちですが、交換しても点灯しなかったり、照明器具を故障させてしまっては元も子もありません。
従って、照明器具の取扱説明書をよく読み、器具に合った蛍光ランプを選択することが大切です。
電球形の蛍光ランプの場合は、明るさを調節できる照明器具で使用しないことも重要です。
ランプ、照明器具のどちらか、または両方の故障原因となりますからやめましょう。
スタータ形やラピッドスタート形の照明器具の場合は、省エネ形の蛍光ランプが市販されています。
これを選ぶと5~10%使用電力を節約できますから、積極的に使いたいものです。
また高周波点灯形の蛍光ランプの場合は、長寿命形を選ぶと交換の手間が少なくなり、ランプを廃棄する頻度が減ることから環境にも配慮することとなり良いでしょう。