IHと電磁波
IHは電気で使用できるため、火を使用するよりも安全と考えられています。しかし、電子レンジ同様に電磁波が発生することも事実です。安全なIHとはどのようなものか記載しています。
実際どれくらいでているの?
IH(Induction Heating)はガスの場合のように火を使用することもなく、円形のコイルに電流を流すことで発熱させます。コイルには磁束が発生し、電磁調理器とも呼ばれています。IHの場合は燃焼による二酸化炭素や窒素酸化物の発生はありませんが、電磁波を発生し、高周波利用設備に該当します。電磁波の持つ波長が長い場合は多少の障害物を通過するため携帯電話などに使用されています。
波長が短い場合ではX線が医療機器として使用されています。X線や紫外線などは発がん性のリスクが挙げられ、遺伝子に影響を及ぼすとされています。このため、法律によって年間の許容被ばく量が決められています。
家庭で利用される電磁波の波長は約5,000あるいは6,000kmで、周波数で言えばそれぞれ50あるいは60Hzとなり、低周波の範囲となり遺伝子に直接的な影響を及ぼす可能性はないと考えられています。
対策方法
国際ガン研究機関IARCの報告によると、4mG(G:ガウス)以上の電磁波は危ないと言われています。ガウスGは磁力の単位で波長ではありません。しかし、国際非電離放射線防護委員会規制値とされる50Hz・1,000mGあるいは60Hz・833mG以下のものであれば安全であると言われています。
実際は100mGを超えなければリスクは低くなります。古いタイプであれば100mGを超えていますが、現在は約3mG程のタイプがあります。これは液晶テレビやパソコンのモニターに近い値で、約10cm程距離を取れば安全な範囲になります。電磁波がどれくらい生じるかは使用する機種によって異なるため、購入時に問い合わせて確認することが良い方法となります。
古いタイプは約2m程の距離を取ることで安全な範囲と言えるため、使用するには現実的ではありません。新しいタイプに替える場合も、まずは確認を行うことが対策方法のポイントとなります。
IHと調理器具
せっかくIHを購入するのであれば調理器具もそれに適したものが望ましいです。以下は、調理器具を購入する時に気をつけることや、それを使用した料理について記載しています。
鍋を選ぶ際のポイントは?
一般財団法人製品安全協会のSGマーク(SG:Safety Goods)がある鍋であればIHでの使用が可能です。磁石がつくような鉄やステンレスで作られた鍋を選べば使用に関しては大丈夫です。鍋の重さですが、軽いものは加熱中に動いたりすることがあるため、鍋に料理が入っている状態で約700g以上の重さが良いとされます。
サイズは、鍋の底が直径約12~26cm、コンロが3つあって奥にある小さな場合は直径約12~18cmが良い大きさです。IHの表面となるトッププレートに鍋の底が一定につくことがポイントとなるため、底の形が膨らんでいたりへこんでいたりする鍋は選ばないようにします。底がトッププレートに密着していない状態は調理だけでなく、安全機能が正常に働かなくなる可能性があります。
オススメ料理
IHの火力を利用した炒めものでは、豚バラ肉と野菜の炒め物が簡単で美味しくできます。バラ肉またはコマ肉でも大丈夫です。歯ごたえを楽しむならキャベツを、甘みが出ない方が良いという場合は白菜を選びます。あらかじめ茹でてあるうずら玉子、無ければ普通の玉子を用意します。
色合いを考え、人参やパプリカ、ピーマンを用意します。オイスターソース・醤油・鶏ガラスープと好みでおろしにんにく・おろし生姜を混ぜておきます。野菜を適度な大きさに刻み、鍋に油をひいて普通の鶏卵を使用する場合はここでスクランブルエッグ状にします。
肉を炒めてから野菜を入れてうずら玉子であれば最後に入れます。火が通ったら混ぜておいた調味料(ソース)をかけて混ぜます。好みで、仕上げに水で溶いた片栗粉であんかけにしても美味しくなります。他にもタイマー機能を利用して、好きな食材を入れた煮物などもできます。
IHと電気代
ガスを使用するよりも電気の方が高いと懸念されるIHの利用料金は気になるところです。可能であれば、調理をしながらも節約できればしたいと考えます。以下、電気代や節約について記載しています。
どれくらいかかるの?
IH使用時にかかる電気代は、調理を行う時間帯によって変わります。例えば東京電力で7~10時に使用した場合は1kWhあたりの電力量料金は25.92円、10~17時であれば38.63円、17~23時であれば25.92円、23~7時であれば12.16円となります。また、電気利用のプランによっても変わります。
前述の例はオール電化向けのプランで、特に深夜から早朝にかけて電気を使用すると良いプランです。深夜に調理をすることは少ないとしても、17時を過ぎてから調理を始めることで電気代を抑えることができます。この料金プランで約30分程かかる煮物を作った場合は、17時までの場合は57円、17時を過ぎると38円になります。
電気代は(1kWhあたりの電力量料金)×(消費電力×時間÷1000)で算出されますが、電力会社のサイトなどで電気代を算出するシュミレーション機能があります。
節約方法
一番利用料金の安い時間帯に作り置きができる調理を行い、保存しておくことも節約方法の一つとなります。静音の電化製品を敢えて安い時間帯に使用するという方法もありますが、日中や夜間の電気使用量に応じてプランを見直すことも大切です。
電気会社も多く、プランも一通りではないため見直すことが大変になるかも知れません。この場合もまたWEBサイトを利用することで電気料金のシュミレーションや電気料金プランを確認することが可能となっています。電気料金のプラン毎に時間帯による単価の設定は変えられています。
家庭全体で電気を使用する時間帯を考慮に入れて、その時間帯の単価が安いプランを選ぶことで大きな節約へと繋がります。一度、検討されることをおすすめします。