送電能力の倍増検討を開始 東北~首都圏
nakatani
2015年8月19日
電力自由化解説
東北地方から首都圏向けの送電能力倍増計画
経済産業省が、東北から首都圏向けの送電能力を倍増させる検討を開始しました。
今後、東北地方には発電設備の新設や増強が見込まれており、東北から首都圏への送電能力を高め、首都圏の総需要の1/5程度を送ることができるようにします。東北地方からの送電が可能になれば地域をまたぐ「越境販売」が可能になり電気事業者が競争し電気料金の値下げにつながる可能性もあります。
連系線の長さは約140キロメートル
工事費用は約1400億円以上とされており、建設コストは電力会社が負担します。工事費用は、利用者への電気料金に転嫁する方向で調整しており、電気販売価格の上昇が懸念事項として挙げられています。ただし、首都圏への電力供給が活発になれば事業者間競争で結果的に電力提供価格が下がる可能性もあり、10年と言われている工期の短縮と、近くを通る送電線の活用でいかにコストを抑え、早期に首都圏への送電での収益確保が見込めるかなど注目されています。
他地域でも進む連携線の増強
北海道‐本州の「北本連携」、東日本‐西日本の「東京肘部管連携」など他地域による増強も進んでおり、電力自由化開始まで約半年を切った中、電力提供に関する動きが活発化してきています。
「電力広域的運営推進機関」(広域機関)
2016年の電力小売り全面自由化を前に、一般電気事業者や新電力には従来の垣根を越えた電気販売の動きが広がっていくなか、経済産業省の認可法人である「「電力広域的運営推進機関」(広域機関)が設立されました。同機関には一般電気事業者や新電力など電力会社の加盟が義務つけられており、電力供給に余裕がある電気会社には、不足地域への送電指示など、安定供給を行うための取り纏めを行います。
電力自由化 2015-08-19
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