電気自動車がもたらす新たな可能性
電気自動車が普及したスマートコミュニティでは、電気自動車が持つ蓄電池を有効活用する方法として次の3つが考えられています。
G2V(Grid To Vehicle)
スマートコミュニティは環境に優しい社会であり、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを主な電源として利用します。
蓄電池としての利用
これら再生可能エネルギーは発電の出力制御に限界があるため、時に系統を不安定にする性格を持ちます。その不安定さを解消するために、電気自動車の待つ蓄電池を用い、需要と供給のバランスを保つ、これがG2Vの基本的な考え方です。
V2G(Vehicle To Grid)
電気自動車は視点を変えてみると動く小型発電所になります。
発電機としての利用
電力系統に対して送電を行う、これがV2Gの基本的な考え方です。たとえば災害時に、この動く小型発電所を重要な施設(例えば病院など)への電気供給の手段に用いる事などが考えられます。
V2H(Vehicle TO Home)
停電時に電気自動車の蓄電池から家へ電気を送り、V2Gと同様に災害時の小型電源となります。
非常用電源としての利用
また、近くの再生可能エネルギー発電所まで行けば、充電することも可能です。
災害時以外にも、電気料金の安い夜間に充電し、電気料金の高い昼間は電気自動車の蓄電池の電気を家で使う事なども可能となります。
これらの有効活用の方法は、いずれも自動車(特に自家用車)の特徴が、走っている(使用している)時間よりも止まっている(使用していない)時間の方が圧倒的に長いことに目を付けたものなのです。
経済産業省が行う「次世代エネルギー・社会システム実証(国内4地域実証)の愛知県豊田市のプロジェクトにおいて、V2HやV2Gを実施し、スマートコミュニティにおける大規模な電気自動車の使い方を実証します。