80年代に提唱されたオール電化。ここ十年ぐらいは少し下火になっている印象を受けます。
しかし、電力小売自由化がされる今こそこのオール電化についてもう一度考えてみるいい機会なのではないでしょうか。
オール電化の流行
80年代の後半からIHやエアコン、温水器などがそれまでの火に代わる電化製品として普及が進みました。
それまでのガスコンロで調理し、石油ストーブを使い、ガスで沸かしたお風呂に入るライフスタイルから、全て電気でまかなえてしまうライフスタイルに変化していきました。
エネルギーを電気に統一することで月々の使用量や料金の把握が容易になります。
それに加えて、電力会社は割安の深夜料金を始めました。大量の電気を消費する温水器などの使用を深夜にまとめてしまえば、電気代の節約につながるシステムでした。
ちなみに、
オール電化の役割についてはこちらでまとめています。
オール電化と災害
90年代に入ると一軒家を中心に、オール電化を基本仕様とした住宅の売りだしも盛んになりました。オール電化の存在感はますます大きくなっていました。
そんな矢先、1995年1月17日に阪神大震災が発生し、大規模な停電が発生しました。
兵庫県内だけでも100万戸以上が停電したと言われています。オール電化住宅は電気がなければエネルギーがありません。
電気の復旧には1週間以上かかりました。
これを機に、リスクマネジメントとして電気偏重ではなくいろいろなエネルギーを組み合わせた方が良いという考えが広まりました。
ただ、電気は送電線が地上にあること、国家戦略として重要度が高い事などからガスや水道に比べると一般的には復旧が早いと言われています。
しかし、地域差や損傷の差に左右されるので、ガスの方が先に復旧した地域も存在します。どちらにしても、エネルギーは使い分けた方がスマートだという考えが一般的になりました。
今、オール電化について考える
電力自由化が発表されていから電気に対する注目度は増してきました。
そんな今だからこそオール電化を考えてみてはいかがでしょうか。
「オール電化と災害」の所で述べたようにオール電化に対してネガティブな印象を持っている方が多いかも知れません。
しかし、今だからこそオール電化を考えてみる価値があるのです。
オール電化で、今まで以上に効率よく安くエネルギーを使えるようになる
電力自由化によって多くの新電力が参入してきます。
その中で、ハウスメーカーは重要な位置を占めています。
オール電化住宅を提供し、電力供給も自社で行う、そんなメーカーがあります。
スマートメーターの導入や災害に強い街づくりと並行して行うので、より魅力的なオール電化になるのです。
加えて、新電力の電気なので、より料金がオール電化に特化していて、かつ料金も安い、そんないいとこどりのオール電化になることでしょう。
新電力とオール電化はとても親和性があります。うまくすれば、オール電化のデメリットがほとんどなくなるかも知れません。今だからこそ、オール電化をもう一度考えてみるのはいかがでしょうか。