今回はドイツのエコロジーに関して簡単にまとめてみました。
ドイツの再生可能エネルギー
政府は再生可能エネルギー開発推進のため、1991年に「電力買取法」、さらに2000年には「再エネ開発促進法」(EEG)を制定しました。同法により「固定価格買取制度」(FIT)が導入され、電力会社に対して再生可能エネルギー電源からの発電電力を高い価格で買い取ることが義務付けられました。
その結果、特に風力開発の進展は目覚しく、1990~2012年の間に約570倍に増大し、2012年末現在では3,132万kWの規模に達しています。
政府は今後、風力発電設備のパワーアップのためのリパワリング、および洋上風力の導入を中心にさらに開発を進め、再生可能エネルギーが発電に占めるシェアを2020年までに少なくとも35%まで拡大する計画を発表しました。
また、最近では、太陽光発電の導入も意欲的に進められています。住宅に太陽光発電パネルを設置するケースに加え、大規模なソーラー発電所(メガソーラー)の建設も進められていて、2012年末の時点で3,264万kWと世界一の規模が設置されています。
しかし、こうした大量の太陽光発電の導入は消費者の費用負担も増加させているのが現状でした。2013年の時点で、一般家庭の再生可能エネルギー電源導入費用の負担額は月額15ユーロ(約1,950円)を超えていました。この状況を重く見た政府は、2012年4月に太陽光発電の買い取り価格を一段と引き下げるとともに、規模が5,200万kWに達した後に設置される太陽光発電設備にはFITを適用しないことを法律で決め、消費者の負担を小さくし、さらなる発展に努めています。
ドイツの身の回りのエコ
さらにドイツはエコロジー先進国としても有名です。2008年初頭には、ドイツの多くの大都市が有害物質による汚染を減らすために、環境ステッカーのある車しか入れない環境地域を導入しました。また、マンションや一戸建の所有者に対し、住宅のエネルギー消費や効率を記載した証明書の作成が義務付けられ、これに並行して、断熱対策や環境にいいリフォームに対して国から低金利の融資や助成を行っています。
1988年からデポジット制度も導入され、公共のごみ箱の分別法も細かく徹底されていて、普段からエコに対する意識が高いといえるでしょう。