2016年4月に行われる電力小売りの全面自由化を控え、東京電力とソフトバンクが電力小売りのための新会社を設立することが「週刊ダイヤモンド」の取材で明らかとなった。
東京電力は今年4月よりNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社から事業提案を募集していたが、その中から最終的にソフトバンクが選ばれるようだ。
何故東京電力はソフトバンクを選んだのだろうか?
決定的だったのは、ソフトバンクのみ東京電力に対し共同での新会社設立を提案してきたこと。
電力小売りの全面自由化が行われたら新たに開放された市場は激戦必須。
ソフトバンクにはその市場の中で東京電力と共同で新たな市場を作り上げていく覚悟があったようだ。
では実際に東京電力とソフトバンクによる新会社は何を行っていくのだろうか。
現段階でほぼ確実なのが電気料金と携帯料金のセット割。そして可能性が高いものとしてソフトバンクの傘下であるヤフーを通じたインターネットでの電力販売。更に、今後需要が増していくことが予想される電気自動車や家庭用蓄電池の販売が挙げられる。
お互いにとってのメリットは?
東京電力は1都8県に渡って地域独占的に電力を販売している。しかし、その管轄外になれば影響力は0に等しい。関西で東京電力のCMを見ることは無いだろう。そのため様々な地域に跨るソフトバンクユーザーを囲うことが出来れば東京電力にとってはメリットとなる。
一方ソフトバンクにとっては、国内電力市場の1/3を担う東京電力と既に契約している一般家庭が新規ユーザーとなる可能性が上がり、シェア獲得に繋がっていく。家族全員がソフトバンクユーザーになれば電気代が安くなる、といったサービスも検討されるだろう。
新会社が行う詳しいサービス内容は現段階では未発表。今後もこの大手電力会社と通信会社のタッグから目が離せない。