春は人事異動や転勤が多い時期であり、その一方で進学により自宅を離れる人も多いです。一人暮らしを始める人が多くなる時期といえるでしょう。
これにあわせて、家電量販店も一人暮らしを応援するため、さまざまな商品を販売しています。なかでも家電セットの販売は、この時期ならではといえるでしょう。
しかし、家電セットに含まれているものが全員に必須というわけではありません。ここでは一人暮らしを始める人に向けて、まず揃えておきたい家電を解説していきます。
新生活セットとして販売されている家電
家電量販店などでは2月から3月にかけて、新生活を送るために必要な家電を「新生活セット」として販売しています。
新生活セットに含まれる家電は、以下のようなものが多くなっています。
冷蔵庫
洗濯機
電子レンジまたはオーブンレンジ
炊飯器
掃除機
またこの他に、さまざまな家電を紹介したパンフレットを作成している家電量販店もあります。
新生活セットに含まれる家電は本当に必要か?
新生活セットにはさまざまな家電が含まれていますが、これらは本当に必要なのでしょうか。それぞれの家電について、説明していきます。
1.冷蔵庫
冷蔵庫は日々の生活に欠かせません。冷蔵庫が無いと、常温で保存できる食品やレトルト食品、コンビニで買ってきた食品ばかりの食生活になってしまいます。パック詰め惣菜などの保存も冷蔵庫が必要ですから、自炊しない人でも冷蔵庫は必須です。
All About「一人暮らし用の冷蔵庫の選び方」記事を執筆した河野真希氏によると、
冷蔵庫の購入目安は以下の通りとなっています。
自炊をしない人は、80リットル程度
たまに自炊をする人は、120リットル以上
毎日自炊をする人は、200リットル以上
家電セットに含まれている冷蔵庫は、80~150リットルのものが多いようです。
冷蔵庫は詰め込みすぎると冷えにくくなり、電気代がかかってしまいます。
迷ったら大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
2.洗濯機
清潔な生活を送るには、洗濯機も欠かせません。
パナソニックによると、洗濯物は1人1日で1.5kgほどと言われています。
家電セットに含まれている洗濯機は、4.5~6kgの製品が多くなっています。毎日洗う場合はこのサイズで良いですが、週末にまとめて洗う場合はもう少し大きめのサイズが必要です。
なお晴天が少ない土地にお住まいの場合は、乾燥機付きの洗濯機を購入することも一つの方法です。
3.電子レンジ
簡単に温めができる電子レンジは、何かと便利な家電です。食品の中には電子レンジしか調理ができないものもありますから、一人暮らしには必須です。
但し、あまりこだわった機能は必要ないでしょう。タイマーと飲み物のあたため機能がついていれば十分ともいえます。
4.オーブンレンジ
本格的な料理をしたい方は、電子レンジに代えてオーブンレンジという選択もあります。電子レンジと異なり「焼く」機能があること、スチームオーブンレンジであれば余計な油を落とす機能もあります。
但し生活に必須の商品ではありませんので、必要な方だけ購入すれば良いでしょう。
5.炊飯器
朝はごはんという方も少なくないと思います。お米と水さえあれば、いちいち買いに行かなくても良いことも魅力です。
炊飯器はあれば便利ですが、家電セットに含まれる3合炊きでは余ってしまう場合も多いでしょう。1~2合程度であれば、土鍋や電子レンジ用炊飯器を使う方法もありますので、よく比較検討してください。
なお炊飯器を購入する場合は、多少高くても美味しいご飯が食べられる商品を選びましょう。
6.掃除機
家電セットに含まれる掃除機は、細長いスティックタイプのものが多くなっています。
これはこれで便利なのですが、最近では掃除機の種類も多様化しており、ロボット掃除機も1万円台から購入することができます。
あなたのライフスタイルにあわせて、欲しいタイプの掃除機を選ぶと良いでしょう。
またワンルーム生活であまり物を持たない人は掃除機を使わず、ほうきとちりとりを使う方法もあります。その点では、必須の家電とまでは言い切れません。
他に必要な家電
家電セットに含まれていませんが、生活に必要と思われる家電もいくつかあります。新生活では、他にどのような家電が必要なのでしょうか。
1.食器乾燥機
食器乾燥機は新生活セットには含まれていませんが、可能な限り揃えておきたい家電です。
食器乾燥機を使わない場合、洗った食器はふきん等で水気を拭き取ることになります。この際、ふきん等についた雑菌が食器に付く可能性がありますから、食器乾燥機を使った方が衛生的です。
小型で数千円程度の食器乾燥機も販売されていますので、購入すると良いでしょう。
なお、食器洗浄機は必須ではありません。水道もつなげる必要がありますので、欲しい人だけ購入すれば良いでしょう。
2.ヘアドライヤー
ヘアドライヤーもぜひ欲しい家電です。お風呂に入った後、髪を乾かせなければ風邪をひく可能性もあります。何よりも濡れたままの髪は不快です。
もっとも、自宅から持って行くという方法もあります。家電量販店では2,000円前後から取り揃えられていますので、機能にこだわらなければ高価な買い物ではないでしょう。
3.シェーバー
男性には身だしなみに欠かせない、必須の家電です。もっとも肌に触れるものですから、1人1個のはずです。ご自身でお持ちのものを持って行くと良いでしょう。
また安いシェーバーは1,000円前後からありますので、この機会に買い替えるのも一つの方法です。
4.インターネット接続機器
インターネットが必須となった現代では、ルーター等のインターネット接続機器も生活に欠かせません。
但しこの商品も持ち運びできますから、自宅のものを持ち込むという選択肢もあります。
5.エアコン
最近はエアコンが完備されている住居も増えてきていますが、無い場合は大家さんなどの建物管理者に相談の上、ご自身で設置しなければならない場合もあります。
本格的に冷房が必要になる時期は7月以降ですから、慌てる必要はありません。
また窓用エアコンは安く、壁に穴を開ける必要もありません。引っ越しの際には持って行けることも魅力です。ボーナス商戦となる6月から7月上旬頃になると多くの商品が展示されますので、その時期まで待っても良いでしょう。
なお窓用エアコンについては、「総コスト3万円程度!!買ってすぐ使える、窓用エアコンの特徴と注意点」をご参照ください。
家電選びのポイント
家電の購入にはお金がかかりますから、極力お得に、無駄のないようにしたいものです。その際のポイントを説明します。
1.先に新居を決めよう
冷蔵庫や洗濯機等の大型家電は自宅に配送してもらうことが多いですから、配送先がわからないと購入できません。
また新居のレイアウトによって、置けるサイズが決まってくる場合も多いです。
そのため家電選びは新居を決めてから行い、また置き場所のサイズもきちんと計測しておくことが大切です。
2.住宅備え付けの家電が無いかどうか確認する
最近の賃貸住宅では、予め家電が備え付けられている場合があります。このことをよくチェックせずに家電を購入してしまうと、無駄遣いになってしまいます。
特に冷蔵庫や洗濯機が2台になってしまうと、置き場所がありません。購入前には可能な限り新居の下見をする等、どのような家電があるかチェックしておくようにしましょう。
3.大学生の場合は、「4年間使えれば良い」という割り切りもアリ
転勤の場合は期間が予め決まっていない場合も多いですが、進学で一人暮らしを始める場合は期間が決まっています。例えば大学生の場合は4年間や6年間となっています。
そのため就職したらまた買い替えることを前提に、在学期間中だけ使えれば良いと割り切ることも一つの方法です。
4.お店のコンシェルジュサービスを利用する時のポイント
家電量販店にはまとめ買いコーナーやコンシェルジュサービスがある場合もあります。
大都市の大型店では商品ごとにフロアが分かれている場合も多く、いちいち別々に購入するのは大変な手間がかかります。そのため、このようなサービスがあると助かります。
但し、店員のおすすめに応じてつい余計なものを購入してしまう可能性もあります。そのため出かける前に、主な家電について「いる・いらない」の仕分けをしておくと、無駄な買い物をせずにすみます。
5.アウトレット品や中古家電で揃えることも一つの方法
家電量販店によっては、アウトレット品専門の売り場を設けている場合もあります。通常よりもさらに安い値段で購入できますので、欲しい商品があれば安く家電を揃えられます。
また中古家電を活用することも一つの方法です。価格を大きく抑えられるメリットがあります。
まとめ~結局、何を買えば良い?~
ここまで、ひとり暮らしに必要な家電について説明してきました。
まとめると、以下の通りとなります。
1、先に新居を決めた後に家電選びを。また家電備え付けの住宅も多いので、余分な家電を買わないように注意
2、冷蔵庫は必須。できれば120リットル以上。毎日をする人は200リットル以上
3、洗濯機は4.5~6kgの商品で良いが、週末にまとめて洗う人はもう少し大きめのサイズを
4、電子レンジは必須だが、複雑な機能は不要。飲み物あたため機能は欲しい
5、食器乾燥機は衛生を保つためにも欲しい家電。但し小さいもので良い
6、 ヘアドライヤーやシェーバー、インターネット機器は、自宅からの持ち込みも選択肢
7、オーブンレンジ、炊飯器、掃除機は各自のライフスタイルにあわせて購入
8、エアコンの購入はあわてなくてよい
9、 アウトレットや中古品の購入も選択肢
思ったよりも必要な家電が少なかったり、意外な家電が必須ということに驚いた方もおられるのではないでしょうか。
この記事がスムーズに新生活が始められるための助けとなれば、嬉しく思います。