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近年、自然エネルギーへの関心が高まっています。また電力自由化に伴い、料金だけでなく電源構成にも注目して電力会社を選ぶことができるようになりました。
そのような中、自然エネルギーによる発電をセールスポイントとした新電力として、GREENaでんきが登場しました。GREENaでんきの特徴は、どのような点でしょうか。また、注意すべきポイントについても説明いたします。
なお、本記事で説明する料金は特記の無い限り、すべて消費税込です。
GREENaでんき、その特徴は?
GREENaでんきは、これまでの電力会社とは異なる特徴を持つ電力会社です。その特徴を説明していきましょう。
1.自然エネルギーをもとに発電された電力
自然エネルギーはFIT電気とも呼ばれており、太陽光、小水力、風力、地熱、バイオマスといったものがあげられます。GREENaでんきはこれらをもとにして発電された電気を主体として供給する電力商品です。
GREENaでんきでは、2種類のプランを用意しています。
GREENa スタンダード
電源構成のうち、自然エネルギーを使って発電された電気が50%以上となっている電力プランです。CO2排出係数がゼロであること、またGREENa RE100プランよりも安価であることが特徴です。
自然エネルギー以外の電力は卸電力取引所から仕入れており、この中には水力・火力・原子力等で作られた電気が含まれます。
GREENa RE100
その名の通り自然エネルギーを使って発電された電気のみで構成された電力プランです。もちろんCO2排出係数はゼロ、地球環境にやさしい電気です。
3.運営会社について
GREENaでんきは、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社により運営されています。太陽光発電など、自然エネルギー利用のトータルサポート企業として2003年に事業開始しました。2015年11月から、GREENaでんきを運営しています。
4.契約可能エリア
契約可能エリアは、電力自由化前の
東京電力
中部電力
関西電力の対象エリアと同一です。
但し、電気料金はそれぞれのエリア毎に設定されていますので注意が必要です。
支払い、申し込み方法
1.申込み方法
GREENaでんきへは、インターネットから申込むことができます。申込みの際には現在契約中の電力会社から交付されている検針票が必要ですから、あらかじめご用意ください。
2.料金の支払い方法
クレジットカード、口座振替のいずれかとなります。
GREENaスタンダードの料金プラン
GREENaでんきには、GREENaスタンダードとGREENa RE100、2種類のプランがあります。まずは自然エネルギーを使って発電された電気が50%以上となっているスタンダードプランについて、お話しします。
なお、自然燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金については、お住まいの地域の電力会社と同額です。
基本料金
東京電力エリア、中部電力エリアでは、契約アンペアごとの基本料金が定められています。
・30A…817円12銭
・40A…1,089円50銭
・50A…1,361円88銭
・60A…1,634円25銭
電力量料金
各電力会社エリアごとに、異なる電力量料金が設定されていますので注意が必要です。
(1)東京電力エリア
120kWhまでは東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」と同額、120kWhを超える場合は安くなります。
120kWhまで…1kWh当たり19円52銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり24円70銭
300kWh超…1kWh当たり27円61銭
(2)中部電力エリア
120kWhまでは中部電力の「従量電灯B」と同額、120kWhを超える場合は安くなります。
120kWhまで…1kWh当たり20円68銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり24円32銭
300kWh超…1kWh当たり26円57銭
(3)関西電力エリア
関西電力の「従量電灯A」よりも、高い料金となっています。
最初の15kWhまで…373円73銭
15kWh超120kWhまで…1kWh当たり25円11銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり27円79銭
300kWh超…1kWh当たり30円65銭
東京電力、中部電力エリアではGREENaでんきのスタンダードプランの方が安く、関西電力エリアでは高いという結果になりました。
GREENa RE100の料金プラン
100%自然エネルギーを使って発電された電気で構成された、環境に優しい電力プランです。果たして料金はいかがでしょうか?
基本料金
東京電力エリア、中部電力エリアでは、契約アンペアごとの基本料金が定められています。これは、各電力会社の基本料金と同額です。
・30A…842円40銭
・40A…1,123円40銭
・50A…1,404円00銭
・60A…1,684円80銭
電力量料金
電力会社エリアごとに、異なる電力量料金が設定されています。
(1)東京電力エリア
東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」と同額です。
120kWhまで…1kWh当たり19円52銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり26円00銭
300kWh超…1kWh当たり30円02銭
(2)中部電力エリア
中部電力の「従量電灯B」と同額です。
120kWhまで…1kWh当たり20円68銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり25円08銭
300kWh超…1kWh当たり27円97銭
(3)関西電力エリア
関西電力の「従量電灯A」よりも、高い料金となっています。
最初の15kWhまで…373円73銭
15kWh超120kWhまで…1kWh当たり25円11銭
120kWh超300kWhまで…1kWh当たり29円26銭
300kWh超…1kWh当たり33円32銭
東京電力、中部電力エリアにおいては地域電力会社と同額となり、関西電力エリアにおいてはGREENa RE100の方が高いという結果となりました。
東京電力と中部電力とGREENaでんきを比較した結果
GREENaスタンダードとGREENa Re100、東京電力と中部電力の「従量電灯B」との比較
両プランの料金を比較すると、以下のことが分かります。
(1)基本料金は、GREENaスタンダードの方が3%安くなっています。
(2)電力量料金については、120kWhまではGREENaスタンダードとGREENa Re100、従量電灯Bは同額です。120kWh超の場合については、GREENaスタンダードの方が3~8%安くなっています。
これにより、東京電力エリアで契約アンペアが40Aの場合、GREENaスタンダードの方が300kWhの場合は267.9円、350kWhの場合は388.4円安くなります。
また、中部電力エリアで契約アンペアが40Aの場合、GREENaスタンダードの方が300kWhの場合は170.7円、350kWhの場合は240.7円安くなります。
関西電力とGREENaでんきを比較した結果
GREENaスタンダード及びGREENa Re100と関西電力「従量電灯A」との比較
2017年8月の関西電力料金引き下げにより、GREENaスタンダード及びGREENa Re100は従量電灯Aよりも4~5%程度高くなります。
例えば300kWhご利用の場合、GREENaスタンダードは895.83円、GREENa Re100は1160.43円高くなります。
東京電力のエコロジープラン「アクアエナジー100」との比較
別記事にて紹介する「アクアエナジー100」は、東京電力の従量電灯BやスタンダードSプランよりも800円以上高くなります。おおむね燃料費調整額が1kWh当たり2円以上のプラスであれば、使用量によりアクアエナジー100の方が安くなる場合もありえます。しかし、一般的にはGREENaでんきの方が安くなるといえるでしょう。
GREENaでんきの特典
GREENaでんき契約者の特典として、グリーン電力証書の交付を受けることができます。これにより、環境に配慮していることをアピールすることができます。
グリーン電力証書によるメリット
とりわけこのメリットが大きい方は、個人よりも法人といえるでしょう。
以下のようなメリットがあります。
・ISO14000シリーズの取得・更新に利用することが可能。
・各社の環境報告書やCSRレポート等に、グリーン電力証書の内容や、証書発行事業者などが提供するロゴマークなどを記載することが可能となります。
・グリーン電力証書に記載された電力量を環境・温暖化対策として活用することができます。
・「グリーン電力で作った商品」等、環境価値を活用した様々な商品化が可能。
環境負荷を与えずに生活したいという要望をかなえられる
GREENa RE100プランは100%自然エネルギーによる発電です。このため原子力や火力で発電された電気を使いませんから、環境負荷を与えずに生活したいという要望に沿うことができます。
GREENaでんきはこのような方におすすめ
GREENaでんきは、以下のような方におすすめです。
(1)グリーン電力証書の交付を受けたい方
あまり経費をかけずに、環境に配慮している証明を受けることができます。特に法人に向いているでしょう。これによりISO14000シリーズの取得やCSRレポートへの記載など、企業価値の向上が見込めます。
(2)できるだけ環境負荷を与えずに生活したい方
GREENa RE100プランは100%自然エネルギーによる発電ですから、環境負荷を与えずに生活したい方に適しています。東京電力・中部電力エリア内では、料金は従量電灯Bとほぼ同等です。関西電力エリア内では月間の電気料金が1000円以上上がる可能性もありますが、環境のためであれば安いものと思われる方も多いでしょう。
また、原子力発電による電力も使っていませんので、脱原発を志向される方にも向いています。
(3)環境に配慮された電力を安く使いたい方
GREENaスタンダードプランは、その50%以上が自然エネルギーによる発電でありながら、電気料金は東京電力・中部電力の従量電灯Bよりも安くなっています。このため、「安さも大切だけど環境への配慮も大切」という方に向いています。
GREENaでんき利用上の注意
GREENaでんきは、以下の点に注意が必要です。
1.契約アンペアは30A以上
GREENaでんきの最低契約アンペアは30Aです。東京電力・中部電力エリア内でGREENaでんきの契約をお考えの方は、あらかじめ30A以上にしておく必要がありますので注意が必要です。
2.口座振替割引はありません
GREENaでんきには、口座振替割引はありません。そのため、東京電力・中部電力エリア内でGREENaでんきに切り替えた場合、最高で54円高くなる場合があります。
まとめ
GREENaでんきは、環境に配慮された電気を使いたい方に向いています。
その中でもGREENa RE100プランは、自然エネルギーのみで発電された電気となっています。環境に配慮した生活が第一とお考えの方にうってつけの電気といえるでしょう。
またGREENa スタンダードプランは、環境に配慮しつつ安価な電気を使うこともできる、家計にも配慮された電力プランとなっています。目的に合わせて2つのプランが用意されていることも、GREENaでんきの魅力といえるでしょう。
個人でもGREENaでんきを使うことにより、地球環境に配慮した生活を送ることができます。関心のある方は、検討してみてはいかがでしょうか。