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関西電力、電気料金引き下げ!何が変わって、どのくらい下がるの?


   

関西電力、電気料金引き下げ!何が変わって、どのくらい下がるの?

関西電力からH29年8月1日からの電気料金の引き下げの発表がありました。

これに引き続いて具体的な引き下げ内容の発表がありました。

デフレ基調の中でも公共料金の引き上げは続いていましたので、関西電力エリアの皆様には嬉しいお知らせとなります。

本記事では具体的な引き下げ内容、料金計算及び比較における注意点、さらに新電力への影響についても触れていきます。

なお本記事で示す料金は、特に注記が無い限り消費税込みの料金となります。

値下げの発表内容

今回の電気料金の引き下げは、平成29年7月6日に発表されました。その内容と新電気料金は、以下の通りとなります。

発表内容とその経緯

発表された内容によると、今回の電気料金改定では平均4.29%の引き下げとなります。

また燃料費調整額を差し引く前と比べると、15%程度の引き下げとなります。

今回の変更の要因の内訳は、以下によるものです。

(1)高浜原子力発電所3、4号機の運転再開による火力燃料費等の削減(11%程度、燃料費調整額により随時反映)

(2)経営効率化の深堀りの成果(4.29%程度)

高浜原子力発電所3、4号機の運転再開が大きな影響となっています。

平均4.29%値下げになる要因

それでは電気代の何が変わって平均4.29%値下げになるのか?

その答えは

1、電気料金単価が大幅(15%程度)に引き下げられました。

2、燃料費調整額の基準価格が変更された。

この2点です。

電気料金単価が15%程度引き下げられたのに、平均4.29%値下げなの??

と疑問に思う方も多いでしょう。

以下より、詳細をお話しします。

電気料金単価の大幅な引下げ

平成29年8月1日から適用される新しい電気料金単価と変更直前の電気料金単価を比較しました。

関西電力管内で主に家庭用とされている料金は、従量電灯Aとなります。

基本料金が設定されていない代わりに、最低料金が設定されていることが特徴です。

新料金 旧料金 引下げ割合
15kWhまで 一律327.65円 一律373.73円 12.3%
15kWhを超え120kWhまで 19.76円/kWh 22.83円 13.4%
120kWhを超え300kWhまで 26.19円/kWh 29.26円 10.5%
300kWhを超え 29.94円/kWh 33.32円 10.1%

結果は引下げ割合を見て一目瞭然!!新料金単価がいかに引き下がったかわかりますね!

これだけ見たら驚きの引下げ率ですね。

燃料費調整額の基準変更の影響

これだ電気料金単価が下がったのに、引下げ率が平均4.29%なのは料金引き下げにあわせて、燃料費調整額の基準が変更したことが作用しています。

燃料費調整額の基準が変更した理由

今回の大幅な料金引き下げに合わせ、発電構成も原子力発電の割合が大きくなるなどの変更があります。

また化石燃料の価格も値下がりしていますので、燃料費調整額を算定する上での基準を以下のように変更しています。

変更内容

それではまずはどのように変更したのか見てみましょう

(1)基準燃料価格の変更

火力発電の原料となる、原油・LNG・石炭といった化石燃料の価格の平均値です。

料金改定前は1キロリットル当たり40,700円でしたが、改定後は25,500円と設定しています。

(2)基準価格

平均燃料価格が基準燃料価格に比べて1,000円変動すると、電気料金にどのくらい影響するかを示すものです。

この数字をもとに燃料費調整額を計算します。

料金改定前は1kWh当たり0.211円でしたが、改定後は0.195円と設定しています。

値下げ前後での燃料費調整額を比較したら増額してた!

値下げ直後の平成29年8月分

(1)15kWhまで:1.17円の加算しました。

(2)15kWhを超える部分:1kWhにつき0.08円の加算

値下げ直前の平成29年7月分

(1)15kWhまで:35.06円の減額

(2)15kWhを超える部分:1kWhにつき2.34円の減額

値下げ直前では燃料費調整額の減額となっていますが、値下げ直後では燃料費調整額が加算となっています。

値下げ直前では燃料費調整額により値引きされていたのに、直後では増額される形になったのです。
電気料金単価があれだけ引き下げられたのに、平均値引きが4.29%なのはこの燃料費調整額が増額していることが作用しています。

結局、どのくらい安くなる?

上記を踏まえて、それでは結局新料金ではどのくらい安くなるか計算してみましょう。

関西電力では、260kWhの例をモデルケースとして示していましたので、当サロンも同じ形をとります。

この例で計算すると、以下の通りとなります。

旧料金(平成29年7月分):6,867円
※燃料費調整額等を加減する前の電力量料金は6,867円

新料金(平成29年8月分):6,069円
※燃料費調整額等を加減する前の電力量料金は6,069円

新料金では、171円の値下がりとなります。

また、旧料金では再生可能エネルギー発電促進付加金加算による増額分のほとんどが、燃料費調整額により相殺されていたことがわかります。

新料金では基準燃料価格の変更により燃料費調整額はわずかながらプラスとなっていますので、再生可能エネルギー発電促進付加金の加算額が「見える化」されています。

700円近い金額は大きいですね。1kWh当たり2.64円の加算で260kWh使用すると、この位の金額となります。

世帯別の使用量をベースにした比較

世帯別の電気料金については、東京都が平成23年度及び平成24年度に実施した「都民の省エネに関する実態調査」があります。

関西電力管内の地域はその多くが太平洋側、または瀬戸内側に面していますので、電気の使い方は東京都とそう大きくは変わらないと思われます。従って

・2人世帯では、250kWh

・3~4人世帯では、360kWh

程度はお使いのことでしょう。

このうち2人世帯の例については、関西電力のモデルケースをご覧ください。10kWh程度は誤差の範囲とみなします。

3~4人世帯については、以下の通りとなります。

旧料金(平成29年7月分):10,144円
※燃料費調整額等を加減する前の電力量料金は10,036円

新料金(平成29年8月分):9,889円
※燃料費調整額等を加減する前の電力量料金は8,913円

新料金では、255円の値下がりとなります。

電気使用量が多い分、値下げ幅も大きくなっています。

10,000円を切る料金というのは、インパクトがありますね。

また、再生可能エネルギー発電促進付加金により1,000円近く加算されていることもわかります。

なお、口座振替割引が適用される場合は、この金額から54円割引となります。

新電力の動き

関西電力の料金値下げに対応する形で、新電力も料金値下げに踏み切るところが出てきています。

一例をみていきましょう。

大阪ガスは10%の減額

8月検針日以降のご利用分から、基本料金・電力量料金ともに約10%の引き下げを行います。

Looopでんき

8月1日から関西エリアの電力量料金を1kWh当たり25円から22円と、12%値下げします。

関連記事:Looopでんきは基本料金がゼロ?シンプル料金体系を徹底解説〜他エリアの電力会社と比較してみました〜

他にも、続々と値下げの動きがみられることでしょう。

新電力会社の今後の新サービスの展開が気になりますね。

電気料金の比較をする上での注意点

電気料金の新旧を比較する上では、以下の点に注意する必要があります。

そもそも燃料費調整額は毎月変動します。

燃料費調整額はその月の5ヶ月前~3ヶ月前までの平均燃料価格をもとに、毎月変更されています。

近年では燃料費調整額が電気料金の10%に及ぶ月もあり、大きな影響を与えています。

そのため、電気料金の比較においては燃料費調整額を考慮した上で比較する必要があります。

燃料費調整額については燃料費調整制度 とは? ~電気の使用量が変わらないのに、値段が毎月違う理由~ で詳細を確認することができます。

まとめ ~適正額を超える利益は消費者に還元する企業姿勢~

今回の引き下げ幅は、すでに燃料費調整額で10%以上の引き下げが行われているという面から見ると、大きなものではありません。

その一方で、原料の料金変動以外の部分で4%を超える引き下げの原資を用意することは、大変な企業努力を要するものでもあります。

その意味では、適正な幅を超える利益は消費者に還元するという企業姿勢を示した点で、評価できるものといえるでしょう。

値下げ幅は月平均で170円~250円前後と大きな額ではありませんが、値下がりは嬉しいことです。また、新電力の値下げの動きも活発になっています。

電力会社各社にはさらなるサービス向上を望むとともに、消費者の皆様もこれをきっかけにして、あなたに合った電気プランの選択を心掛けて欲しいと思います。

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