関東地方の電力会社は東京電力。ならばガスも東京ガス・・・と思いがちです。
しかし千葉県については、県都・千葉市こそ東京ガスの供給エリアであるものの、他の人口20万人以上の自治体はそのほとんどが東京ガスの供給エリア外となっています。
その中でも東京に隣接するエリアに供給しているのが、京葉ガスです。
人口60万人を超える船橋市をはじめ、市川市、柏市、松戸市といった人口40万人以上の自治体が供給エリアとなっています。
千葉県内では、東京ガスに匹敵するガス事業者といえるでしょう。
今回は、その京葉ガスが提供する家庭向けの電気、「マイホームあかり」を取りあげます。条件に合う方にとっては、大変お得な電気です。
契約可能エリア、また契約できる方
1.契約できる方
「マイホームあかり」を契約するためには、京葉ガスからガスの供給を受けている、または受ける予定であることが前提となっています。従って、京葉ガスのガス供給区域内に居住している方でなければなりません。
2.京葉ガスのガス供給エリア
京葉ガスのガス供給エリアは、千葉県のうち以下の地域です。詳細は、京葉ガスのホームページでご確認ください。
・市川市、浦安市、鎌ヶ谷市、松戸市の全域
・船橋市、柏市の一部を除く地域
・習志野市、流山市、白井市、我孫子市の一部地域
料金体系
1.基本料金
マイホームあかりの基本料金は、以下の通りです。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと同額です。
40A…1123.20円(税込)
50A…1404.00円(税込)
60A…1684.80円(税込)
2.電力量料金
マイホームあかりは、2段階の電力量料金となっています。
400kWhまで…1kWh当たり24.10円
400kWh超…1kWh当たり25.96円
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと比較すると、320kWh以上の場合でマイホームあかりの方が安価となります。
これ以上の場合は、1kWh当たり4円以上の割合で安くなります。
3.電源構成
卸電力取引先が34%、火力30%、FIT(主に太陽光)19%、石炭8%となっています。太陽光の割合が多くなっています。
また、平成27年度のCO2排出係数(調整後排出係数)は0.507kg-CO2/kWhです。
さまざまな特典
1.京葉ガスとセットの利用で割引
京葉ガスとセットで利用することで、ペア割が適用され、170円(税込)の割引となります。
マイホームあかりの契約者は京葉ガスのガス契約があることが前提ですので、基本的には誰でも受けられる割引です。
但し、次に取り上げる「ほっと割」「ピカ割」が適用される場合は、ペア割の対象外となります。
2.「ホットほっと」「ゆかほっと」「ピカほっと」に契約中の方の特典
ガス料金プランが
また
支払方法
口座振替、クレジットカード払いのいずれかとなり、原則としてガス料金と一括して支払うこととなります。
口座振替の場合は毎月54円(税込)が割り引かれます。振替日は検針後約10日後の日にちが指定されますが、毎月の振替日を指定することもできます。
クレジットカード払いの振替日は、契約先のクレジットカード会社によります。
なお払込用紙で支払っている方は、上記いずれかの支払い方法に変更が必要です。
マイホームあかりの利用が向いている人
1.電気とガスの契約先を一本化したい方
電気もマイホームあかりとすることで、請求が京葉ガスに一本化され手間が省けます。これだけで月々170円(税込)お得です。
2.「ホットほっと」「ゆかほっと」「ピカほっと」に契約中の方
「ホットほっと」「ゆかほっと」ご加入の方が対象となる「ほっと割」は月々250円(税込)、「ピカほっと」ご加入の方が対象となる「ピカ割」は月々300円(税込)の割引と、さらにお得です。
3.電気を多く消費されているご家庭
マイホームあかりは、東京電力の従量電灯Bと比較すると、320kWh以上お使いの場合に安くなります。
従って、ある程度以上多く電気をお使いの方にメリットがある料金体系であり、ご家族が多い等、電気を多く消費するご家庭にお得です。
マイホームあかりの契約、ここに注意
マイホームあかりの契約にあたっては、いくつか注意しておきたいことがあります。必ず確認しましょう。電気を契約する大前提として、ガス契約が必要となります。
1.ガス供給区域外からは契約できない
マイホームあかりの契約には、京葉ガスの供給を受けていることが前提となっています。この供給エリアは「京葉ガスのガス供給エリア」で示した通り、千葉県内の一部地域に限定されています。
そのため、供給エリア外にお住まいの方は契約することができません。
2.ガス契約を解約すると、電気も解約となる場合があります
契約約款の「30.当社からの電気需給契約の解約」の中に、京葉ガスから契約を解除することがある場合の一つとして「電気を使用する需要場所において、ガス使用契約が解約となった場合」が含まれています。
マイホームあかりの契約は京葉ガスの契約が前提ですから、ガス契約を解約する場合は電気も解約することになるかもしれません。
3.契約アンペアは40A以上
京葉ガスでは、契約アンペアの下限は40Aとなっています。
これ以下のアンペア数で契約している場合は、予め契約アンペア数を40A(以上)に上げた後、契約手続きを行うこととなります。
40Aというのは、1人や2人住まいのご家庭では大きい数字かもしれません。
4.1年以内の解約や契約アンペア数の減少で、違約金が発生する場合があります
マイホームあかりは、以下の場合に違約金が発生する場合がありますので注意して下さい。
該当すると思われるケースの場合は、京葉ガスに確認・相談しましょう。
1)契約後1年以内の解約、または契約アンペア数の減少
電気の需給開始日(使うことができる日)から1年後の検針日の前日までが1年として扱われます。
2)契約アンペア数を増やした後、1年以内に減らす場合
この場合は、契約アンペア数を増やした後に迎える最初の検針日から1年後の検針日の前日までが1年と扱われます。契約アンペア数を増やした日から1年ではありませんので注意して下さい。
4.東京電力の「選択約款」で契約している人は特に注意!
ここまでで記した通り、マイホームあかりの料金体系はシンプルなものです。従って、東京電力エナジーパートナーが提供するような電気の割引プランは用意されていません。
特に、東京電力で2016年3月までに契約できた、以下の「選択約款」で契約している場合は注意が必要です。
・おトクなナイト8、おトクなナイト10
・ピークシフトプラン
・夜得プラン、朝得プラン
・半日お得プラン、土日お得プラン
・おまとめプラン
・電化上手
これらのプランは、東京電力での新規契約受付が終了しています。
また、マイホームあかりでは上記に相当するプランがありません。
従って一旦マイホームあかりに申し込んだ場合、二度と上記プランに戻すことができなくなります。該当プランをご利用中の方は十分に注意して下さい。
まとめ
ここまでで触れた通り、マイホームあかりは京葉ガスの供給エリア内にお住まいの方のみが申し込める電気です。
従って千葉県内の一部の方のみが対象であり、エリア外ではあまりその名前を耳にしない理由でもあるでしょう。
契約アンペアは40A以上と、決して低い値ではありません。
また120kWhまでの従量料金は従量電灯Bよりも4.5円ほど高く、あまり電気を使わないご家庭では損になります。
一方、300kWh超~400kWhまでの電力量料金は従量電灯Bよりも6円近くも安くなっています。このため、電気使用量が320kWh以上のご家庭ではお得となります。
ガスとのペア割も税込170円と、割引額が大きくなっています。
料金体系はシンプルであり、他の割引サービスは京葉ガスとのセット割引が数種類程度と、多くはありません。
また、契約後1年以内で解約すると違約金が請求される場合があります。従って皆様のご家庭ではマイホームあかりに切り替えた方が得なのかどうか、慎重に検討する必要があります。
とはいえ、電気を多くお使いのご家庭では大変お得な料金です。
ご家庭によっては月1000円以上の節約もできるでしょう。条件に合う方は積極的にマイホームあかりを利用して頂きたいと思います。