安定供給に関する取り決めとスマートメーター
前回、電力の安定供給に関して記載しました。自分の生活に大きく関わるので、どのようにして安定供給が守られるのか気になるかと思います。
今回は、電力の安定供給を守る二本柱である、電力システム改革に関する枠組みとスマートメーターに関して書きたいと思います。
電力システム改革に関する取り決め
電力システム改革に関する枠組みは、電力システム改革専門委員会で検討された枠組みです。
委員会が作成した資料内で紹介されている電力供給安定化を図るための内容は、大きく分けて以下の2つです。
予備力に関する取り決め
1つ目は、予備電力に関する取り決めです。
電力販売会社は一定量の電気供給予備力がなければ事業をできないという取り決めができる予定です。
予備力とは、急な電力の需要があった際にもその需要に対応できる、発電力の余裕のことです。
この取り決めがあることで、急な電力需要があった時にも一定の周波数を維持することが可能になります。つまり、安定供給は維持されるということです。
広域機関の創設
上記の取り決めに加え、広域機関(電力の安定供給を目的とした機関)も創設される予定です。
具体的には、特定地域の消費者の需要に合わせて電気の供給量を広域機関が調節・管理することで、周波数を一定に保つことを目的とした機関です。
以上のような取り決めによって、政府は安定供給を実現しようとしています。
しかし、この取り決めを実現するためにはスマートメーターが不可欠です。
安定供給を実現するスマートメーター
予備力に関する取り決めと広域機関の取り組みを補助する機械が、スマートメーターです。
新規の電力販売会社が必要な予備力を正確に把握するためには、消費者の需要量を正確に知ることが肝要です。
また、広域機関が需要量に対し、電力を適切に供給するためには消費者の需要量を的確に把握する必要があります。
そのための機能を備えているのがスマートメーターです。加えて、節約に便利な機能も備えています。
このスマートメーターは具体的に、下記のような機能を備えています。
需要計測
消費者がどの程度電力利用量を30分ごとに計測してくれる機能です。
この機能によって、電力需要の正確な把握と需要量に適した電力供給を行うことが可能になります。
つまり、予備力計算と電力供給の調節が容易になります。
宅内向け通信機能
利用した電力量を宅内の端末へ送信し、節電に役立てることができます。
端末では、どんな電化製品にどのくらい電気を使っているかをグラフで参照できるので、どこで無駄な電力を使っているのか、非常に詳細に把握できるようになります。
電力の安定供給がいかにして実現されるかを紹介しました。
これまで紹介させていただいた通り、取り決めとスマートメーターの両面から電力の安定供給に取り組んでおり、新規参入企業はあるものの、安定供給は守られるものと思われます。
参考:
http://www.tepco.co.jp/smartmeter/index-j.html
http://www.etra.or.jp/concept/etra_concept_faq.pdf
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denryoku_system_kaikaku/pdf/report_002_01.pdf