コジェネレーションの普及を阻んでいる“騒音”と“経済性”と言う2点の問題を解決する可能性として考えられるのが『燃料電池』です。これらの問題を、根本的に解決する可能性があるのです。
燃料電池の可能性
燃料電池はほとんど騒音を発生しないため、高層ビルの裏庭に設置したとしてもなんの問題もありません。
さらに、経済的には系統電力を上回る可能性すらあります。
10年前、家庭用燃料電池の価格は1,000万円を超え、燃料電池自動車の価格は1億円に達すると言われていましたが、ここのところの技術革新は燃料電池の価格を劇的に低下させました。
家庭用燃料電池の価格はすでに200万円まで下がっており、2020年までには70万円程度、場合によっては50万円程度になるのではないか、と言う声もあります。
燃料電池自動車も3年程度の間に技術が進み、500万円程度で販売されるといいます。
家、車分野で活躍
そもそも、燃料電池の構造はシンプルな上、理論的な発電効率の上限が内燃機関よりはるかに高いので、さらなる発展の余地があります。
すでに、日本では太陽電池と燃料電池を装着したスマートハウスの売れ行きが好調となっています。
今や収益性上位の住宅メーカーはスマートハウスを先導する企業ばかりです。
10年前、自動車メーカーのCSRの手段と思われていたハイブリッド車は、最近ではベストセラーカーの上位を占め、国際的な合従連衝の軸となっています。
住宅分野でもこれと同じことがスマートハウスによって引き起こされる可能性は高いでしょう。
開発効率の良さ
燃料電池はモジュール化や連結が容易なので、家庭用小型設備の開発成果はすぐに中型・大型へと波及します。
2020年ごろになると、新築戸建住宅のほとんどに家庭用燃料電池が装着され、燃料電池を分散設置したマンションが多数建設され、コンビニ、ロードサイド店舗、病院、商業施設、オフィスビル裏には普通に燃料電池が設置されている、と言う状況になっている可能性は十分にあります。