原則的にどんな会社でも参入できるようになる電力小売市場。しかし、参入するとあまり良い影響を与えない企業があるのも事実です。倒産や合併を繰り返すような企業や、きちんとしたサービスを提供せず外貨獲得だけをもくろむ外資企業などがその例です。政府はこれらの企業に対してどのように規制を敷いていく予定なのでしょうか。
新規参入企業に対する規制
規制は行わずだれでも参入できるシステムになる予定です。ただ、発電も自由に行って供給することができます。システム上、原子力発電を大規模に始めて電力供給できるので、その部分に関して懸念する声も上がっています。また、組織的に価格のつり上げ操作を行うことも可能となってしまいます。これらに対して政府はライセンス制の導入も検討しています。
新規参入の外資企業に対する規制
こちらも基本的に規制は行いません。ただ、外国為替及び外国貿易法などの外国からの投資を規制する法律に触れる場合は罰せられます。財務大臣及び経済産業大臣の管轄のもと規制が行われます。
新規参入後の撤退に関する規制
電気は生活維持にかかわる重要なライフラインです。この電力を供給する企業が簡単に参入・撤退を繰り返すと国民の生活が不安定になる危険性を指摘されることがあります。しかし、実際に電力を届けるのは今と同じ一般電気事業者なので、供給会社の意図や倒産によって突然停電してしまうことはないようです。そのため、政府としても撤退に関する規制を設ける予定はありません。
どの分野でも自由化を行うと必ずしも消費者にメリットのあることばかりが起こるわけではありません。しかし、政府による不自然な規制・独占の体制によるデメリットが大きいことも事実です。いざ、自由化が始まると予想もしていなかった問題が起こるかもしれません。臨機応変に対応できる市場作りが必要ですね。
参照元:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a183123.htm