電力自由化まで残すところ4か月と少し。
「電力自由化スケジュール」でまとめているように、1月1日には新規参入の小売電気事業者の事前予約販売が開始します。
そして、4月1日から電力自由化が開始されます。
しかし、今、このスケジュール通りに進まないのではないかと危惧する声が様々な所で上がっています。
何が原因でスケジュール通り進まないのでしょうか?
決定されない託送料
まずは、託送料の問題です。
送電線を持たない電力会社が電気供給を行う際には一般電気事業者が持つ送電線網を利用します。
この使用量が託送料です。
2020年をめどに一般電気事業者から切り離され独立した機関として運営されていきます。
この託送料がまだ決まっていないのが一つ目の問題です。
これ位になるであろうという水準は発表されたものの、正式な託送料は発表されていません。
>>参照:電気料金のキーである、託送料金の水準が見えてきた!!!
託送料を元に各社電気料金を設定し、電気プランを発表するので、託送料が決まらない限り電気プランの発表は行えないという状況です。
元々のスケジュールでは、10月・11月ごろに託送料が発表されると見られていました。
しかし、11月末の現在でも託送料決定のめどは立っていません。
1月1日の事前予約がスケジュール通りに始まらない可能性があります。
託送システムの開発遅れ
託送料が決まらない問題と共に指摘されているのが、託送を管理するシステムの開発の遅れです。
一般電気事業者はどの電力会社のどれだけの電気を託送したのか把握する必要があります。
現状の送電線網を使うので、物理的に送電線を分けることはできません。
消費者が簡単に電気の契約を切り替えることができるための根幹のシステムです。
このシステムの開発が遅れに遅れていると報じられています。
最も需要家の多い東京電力で開発が遅れているため、経済産業省・資源エネルギー庁内の電力システム改革小委員会で議題になったほどです。
このままスケジュール通りに開発が進まないとなると、4月1日の電力自由化開始を危ういといえるでしょう。
そもそも、電力自由化をすると決定されてから開始までおよそ2年ですべての準備を行うというスケジュール自体に問題が合ったと指摘する声もあります。
7.5兆の巨大市場なので、たび重なるスケジュール変更は許されません。
今後どうなっていくのか、リスクを考えつつ見守っていかなければいけないでしょう。