節電でよくある勘違い
電気は機械が動いている時に一番消費する!
よく節電で勘違いしてしまうのは、「何時間、電気を切っていたか」で考えてしまう事にあります。 もし1時間電気を切っても、元の状態に戻すのに2時間分の電気を消費しては意味がありませんよね。 しかし間違った節電の中には、こうやって無駄に電気を使ってしまう場合が多いのです。電気は、機械が動いている時に一番消費するという事を覚えておいてください。エアコンが最も電力を消費するのは、室温を設定温度にするときです。 設定温度に近づける時の消費電力は約1000W。しかし温度が一定になると消費電力は100W~200W程度まで下がります。機種によってもっと低い場合もあるでしょう。また、節電の為に「微風」で動かしているという話もありますが、これも逆効果です。
結局は「設定温度のなるまでの時間を伸ばしている=電力消費の大きい時間を伸ばしている」だけです。賢いエアコンの使い方は、「一気に設定温度まで下げて後は自動でエアコン任せ」がベスト。 省エネ家電は人間より的確に節電を実行してくれます。湿度が下がると、体感温度が下がり室温が高くても涼しく感じるのは事実です。 しかし急激に湿度が下がると、「人は寒すぎる」と感じてしまうのですが、頭のいい省エネエアコンはこの「寒すぎる」を解消して、快適に温度を下げようとします。それが「再熱除湿」というドライ運転の方法です。
湿度と温度を落とした冷たい空気をそのまま室内に入れると「寒すぎる」為、エアコンはせっかく冷やした空気を「暖めて」室内に戻してしまいます。 つまり冷房にしているにもかかわらず、冷やした後、暖め直すという2度手間をかけ、2倍の電力を消費してしまいます。省エネエアコンの名誉のために付け加えると、この再熱除湿は通常の除湿より体に優しく、梅雨時など室温はそのままで湿度だけ取りたい、という場合にはとても便利な機能です。 ただ電力が2倍必要になるという一点を除けばですが。
室外機に水をかけてはいけない!
室外機に水をかけると故障の可能性がある
室内の暑い空気と、室外の涼しい空気を入れ替えるのに必要な室外機。この室外機の温度が高いと、熱の変換が上手くいかず必要以上の電力を消費してしまいます。 その為に「室外機に水をかけて冷やせば、効率よく熱の変換が行える」という方法は、一応理にかなっています。 実際に業務用の室外機には自動で水を噴霧する機能が備わっている物がありますが、それはあくまで業務用の話。 家庭用の室外機では、水を吸い込み内部を錆びつかせ、劣化を早める可能性があります。効率よく室外機を動かすのであれば、直射日光に当たらないように日陰を作り、空気の循環がスムーズに行えるよう室外機の周りに1メートル以上の空間を確保するのが良いでしょう。ベランダなどで広い空間が取れないのであれば、室外機の周辺にある荷物を片付けるだけでも節電効果は上がります。
冷蔵庫の間違った節電
エアコンに次いで消費電力の多い家電
エアコンに次いで消費電力が多いのが冷蔵庫。食品を腐らせるわけにはいかないので管理が難しい家電の一つです。「内部にカーテン」は食中毒の危険性があります。一昔前にはやった、冷蔵庫の中にビニールのカーテンを付ける節電方法。 「ドアを開けても冷蔵庫内の冷気が外に漏れないので節電になる」という考えですが、正しく行わないと逆効果になるばかりか、食中毒の危険性がある事は知っていますか?食中毒を誘発するのは、ドアポケットにある食材です。 ビニールのカーテンは冷蔵庫内の冷気を逃しません。つまり『ドアポケットまで冷気が届かない』という事になりませんか? しかもドアポケットの食材といえば牛乳や卵など、腐りやすく症状が重いものが多く入っています。さらに肝心の節電効果にしても、冷蔵庫内が見にくく取り出しにくい為にドアを開けている時間がどうしても長くなります。 これでは、どれだけカーテンをつけようとも内部の温度が上がってしまい意味がありません。もしこのカーテン法を実践するのであれば、
- ドアポケットに腐りやすい食品は入れない。
- ドアを開けなくても、どこに何が入っているか分かるようにする。
- 内部に引き出しを付けるなど、すぐに目的の物が取り出せるようにする。
という、準備が必要不可欠となるでしょう。 ここまで実践できれば節電に効果があるのは間違いありません。