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冬に活躍する家電の1つに、電気ストーブがあります。
電気ストーブは火が出ないから燃えないし火災になんかならない・・・・、そんな事はありません!スイッチ1つですぐに暖かくなる便利な家電ですが、同時に使い方を間違えれば容易に火災につながることもあります。
事実2017年までの5年間で電気ストーブによる事故は400件を超えています。またお亡くなりになった方もいます。
2017年11月22日NITE(=製品評価技術基盤機構)が注意を呼びかけている動画が公開されました。
こういった事故に合わないように、ここでは電気ストーブの利用にあたり、注意しておきたいポイントとその対策を解説します。
電気ストーブの表面温度は数百度にも達する
皆さんは電気ストーブのすぐそばで温まる経験をした方も多いでしょう。あまり熱くないという印象を持っている方も多いかもしれません。
しかし電気ストーブの表面温度は製品により異なるものの、300℃から900℃程度と、大変高い温度となっています。
一方、多くの繊維や紙などは300℃にもなると焦げたり溶けたりします。また発火する可能性も高くなるでしょう。
このため、電気ストーブは火災の原因になることを忘れてはいけません。
火災につながる電気ストーブの間違った使い方
ここまで説明した通り、電気ストーブは高温になる電気機器であり、実際に火災事故も起きています。
どのような使い方が火災につながるか、整理してみました。
1.電気ストーブの上に物を置いたり、洗濯物を干す
電気ストーブの上に物を置いたり、洗濯物を干すことは、代表的な電気ストーブ火災の原因です。
何らかの理由で洗濯物などが電気ストーブの前面など、高熱を受ける場所に落ちてきた場合は、短時間で火災につながるおそれが高くなります。
注意が必要な点は、しっかり洗濯ばさみで止めていたとしても、ヒーターの熱によって洗濯ばさみが外れ、落ちてしまうことがある点です。
一人暮らしでお風呂場で電気ストーブで洗濯物を乾燥させるという話しを聞くことがありますが、そういった行為は絶対に厳禁です。
2.電気ストーブのそばに、可燃物やカセットこんろのボンベ等を置く
電気ストーブの前だけではなく、ストーブのそばには熱を受けやすい場所があります。
そのため、電気ストーブのそばに可燃物を置いてはいけません。
おおむねヒーターの正面や上部では1m、側面や後方でも30cm以上離して置く必要があります。
とりわけ、カセットこんろのボンベやライターなどを置くことは厳禁です。火災や爆発につながる恐れがあり、危険です。
3.スイッチをOFFにした電気ストーブの上に、物を掛ける
スイッチをOFFにしていたとしても、電源コードを挿したままにしておいた場合は安心できません。なぜなら、スイッチをONにするだけですぐにストーブ表面が高温になるためです。
あなたの手や足が電気ストーブに接触し、何らかのタイミングでスイッチを押してしまうこともあります。もしそこに布団や毛布などの燃えやすいものが掛かっていたら、短時間で発火することになります。
このため、電気ストーブのスイッチをOFFにしていても電源コードを挿したままの場合、電気ストーブに物を掛けてはいけません。
4.電気ストーブをつけたまま寝る
電気ストーブをつけたまま寝るのは暖かいですが、大変危険です。
寝返りを打つなどのタイミングで布団や毛布などが電気ストーブに接触すると、火災につながります。
その結果、あなた自身が焼死することにつながりかねません。
また、就寝中は電気ストーブに異常があっても、目を配ることができません。不測の事態を防ぐためにも、寝る前には電気ストーブを消しましょう。
5.傷んだ電源コードを使う
傷んだ電源コードを使うことも、火災の原因となります。
電源コードの中には多くの細い銅線が入っています。この一部が切れてしまうと、残った銅線で電気を流さなければならなくなりますから、各銅線には負荷がかかり、熱を持ちます。
この状態で通電を続けると、電源コードの被覆が焦げたり、炎が上がることもあります。そのため、傷んだ電源コードは使わないようにしましょう。
なお、電源コードの注意点については「意外と知らない電源コードの取扱い方と構造 ~事故に遭わないための6つのポイント~」もあわせてご参照ください。
電気ストーブを安全に使う4つのポイント
電気ストーブを安全に使うためには、いくつかのポイントがあります。この点について、説明していきましょう。
1.暖房専用として、目の届く場所で使う
電気ストーブの周りは暖かいですから、つい何かを乾かしたくなったり、また温めたりしたくなるものです。
しかし容易に火災の原因ともなりますから、電気ストーブは暖房専用として使いましょう。
また外出時や寝る前、また使わない時は必ずスイッチをOFFにして、電源コードもコンセントから抜きましょう。
2.燃えやすいものは離して置く
これまで説明してきた通り、電気ストーブの側に燃えやすい物を置くと、火災につながるおそれがあります。
そのため電気ストーブからは30cm、ストーブの前面や上部では1m以上離して置きましょう。
3.電気ストーブ本体や電源コードに異常がないか確認を
本体や電源コードに異常がある場合、単に電源が入らず温まらないだけで済めば良いのですが、火災につながる場合もあります。
特に電源コードの不具合は、火災につながりやすいものです。
そのため異常があった場合は使用をとりやめ、メーカーや購入店に相談しましょう。
4.取扱説明書を読む
どのような電気ストーブにも、取扱説明書がついています。
多くの取扱説明書には、冒頭に「してはいけないこと」が書かれていますから、必ず読むようにしましょう。
また、取扱説明書はすぐわかる場所に保管しておくことも重要です。
ここに記載された内容をきちんと守るだけで、多くの火災や事故は防げるものです。
まとめ~正しい使い方を知って、安全に電気ストーブを使いましょう~
電気ストーブはすぐに温まるので便利ですが、その反面、容易に火災につながりやすい特徴も持っています。
炎が見えなくても、紙や衣類は温度を上げれば自然に発火することもありますから、油断は禁物です。
これを防ぐためには、正しい使い方が大切です。
- 暖房専用として使い、上に物を干したり、置いたりしない
- 外出時や寝る前、使わない時は必ずスイッチを切り、電源コードもコンセントから抜く
- 燃えやすいものは電気ストーブから離して置く
- 異常があれば使用を中止し、メーカーや販売店に相談する
- 取扱説明書をよく読んでから使う
電気ストーブは正しく使えば安全で便利な家電です。火災にならないよう、正しい使い方を知って、安全に使うよう心がけましょう。