一般家庭における電気配送
最近の住宅電源は単相3線式が一般的
電力会社の契約アンペア容量が40アンペア以上の屋内配線には、単相3線式と呼ばれる電気方式が採用されています。
単相3線式は3本の電線で家屋に引き込まれていて、100ボルトと200ボルトの2つの電圧が使用できます。
単相3線式が普及した理由は、家庭で電子レンジやエアコン、電磁調理器(IHクッキングヒータ)などの使用電力の大きなものが増加してきたためで、
これらの大きなパワーを出す機器の定格電圧が200ボルトの製品が多いためです。そして単相3線式なら100ボルトも取れるので、普通の機器もいままでどおりに使えます。
単相3線式配電は、柱上変圧器の二次側巻線の両端(2本)と巻線の中間点から1本の電線を引き出し、合計3本の電線を用いて配電する方式です。
この中間点から引き出した線を中性線と呼びます。
中性線と外側の線との間の電圧は100ボルトが得られ、外側の2線間の電圧は200ボルトですから、100ボルトと200ボルトの使用が可能になります。
ただ、家庭内に200ボルトの機器がない場合や、あってもエアコンなどでコンセントを使わない場合、自宅が単相3線式配電だということに気づかないでいる家庭も多いようです。
契約アンペアが40アンペア以上なら必ず単相3線式ですから、電力メータの配線などで確認してみましょう。赤、白、黒の3本の電線がつながっているのが単相3線式の配電です(単相2線式は白と黒の2本)。
中性線にヒューズを入れてはいけない
単相3線式電源では、中性線と2つの電線のどちらかとで2系統の100ボルト電源を得ます。
2系統の電圧はちょうど反対になるので、どちらにも同じ大きさの負荷がつながっているときには、中性線を流れる電流は打ち消し合ってゼロになります(この状態を「平衡負荷」という)。
しかし、家庭の中で負荷が平衡というケ-スは希で、多かれ少なかれ負荷に差がでて不平衡状態となり、中性線には差分の電流が流れてしまいます。
この負荷の不平衡時に中性線が切断すると、負荷に200ボルトがかかってしまい、負荷である機器を焼損する危険があります。
そのため、中性線にヒューズなどの過電流遮断器を設置することは禁じられています。