電気ポットは、お湯を沸かして保温するための家電製品です。いつでも手軽にお湯を使える便利さから、多くの家庭で利用されています。
電気ポットの歴史は、消費電力削減の歴史と言っても過言ではありません。もっとも原始的な電気ポットは、現在で言うところの電気ケトルに近い製品です。電気でお湯を沸かして、温度が下がれば再度温めるという基本動作を繰り返します。
いつでもお湯を使えることが売りの電気ポットは、基本的に電源を入れっぱなしにして使うことが前提です。そうなると、消費者の関心は電気代に向かいます。電気ポットの場合、お湯を沸かすときだけでなく、保温状態を維持するためにも電気が消費されます。冷めたお湯を再度加熱するために使う電気が多くなれば多くなるほど、電気代はかさむことになります。
電気ポット、進化の歴史
そこで電気ポットでは、一度沸かしたお湯を冷めにくくするための改良が、加えられてきました。
例えば、内釜と外装の間に空気の層を作る二重構造にすることで、保温性を高めることができます。また、ただ二重にするのではなく、断熱材を使うことでも、省エネ化が図られてきました。
近年では、普通の断熱材よりもさらに断熱性能が高い、真空断熱を用いた電気ポットも普及してきています。
あるメーカーの容量2.2Lの電気ポットで、真空断熱を採用したモデルと不採用のモデルを比較すると、年間消費電力量には180kWhもの差があります。
これは実に約54%も消費電力を抑えられる計算になり、1kWhあたりの電気料金を25円で計算すると、年間4,500円の電気代削減になります。
このように、電気ポットの歴史と電気代(消費電力)の変化は、切っても切れない関係にあるのです。
次に、今の電気ポットにおける節約術を見ていきましょう
節約術その1 保温は最高温度でなくても十分
98度といった、沸騰直前の高温でお湯を長時間とっておくのは、賢い使い方とは言えません。
例えば、ある機種で3リットルのお湯を98度で保温した場合、1日当たり約19円(1kWh当たりの電気代を29円と計算)の電気代がかかってしまいます。
電気ポットは、保温モードでの温度を選べるものがほとんど。
80度台、場合によっては60度台に設定しておきましょう。60度台で保温している場合には、必要に応じて沸かし直しをすればOKです。
節約術その2 使わない時にはプラグを抜く
保温のコストよりも、沸かし直しにかかるコストの方が少ないなら、いったんスイッチを切ってしまうのが一番の節約法。
湯沸かしのコストは、3リットルあたり約12円、保温のコストは、1時間あたり約1円。
さらに、冷たい水から新たに沸かすよりは、電源を切ったポットのぬるいお湯を活用する方が低コスト。数時間〜半日という単位で保温するのであれば、電源オフを選びましょう。
コンセントからプラグを抜いても、電気ポット本体にはある程度の保温性があります。ただし、衛生面から、1日以上の保管はいずれにしても避けましょう。
いかがでしたか?
お持ちの電気ポットを省エネ利用するために、こうした方法を取り入れてみてください。