「電力×ICT」がホットな話題になっています。
スマートメーターを使ってリアルタイムで電気の使用状況を知ることができます。一般家庭に向けてはスマートメーターによって自分の家の電気の使用状況を「見える化」できるとしてそのメリットを訴えています。今、どの家電がどれくらいの電気を消費しているのか蓄積していき、電気消費のサイクルをはじきだす事ができます。
しかし、「見える化」以上の事はできません。
もちろん見える化することによって電気の使用状況を改めたり、電気の契約を見直したりするきっかけになることは大いにあり得ます。
とはいえ、一般消費者(一般需要家)にとってスマートメーターのメリットはあまり魅力的に聞こえません。それにも関らず、一般電気事業者や政府までもこのスマートメーターの普及を急ピッチで進めています。実質、無償配布になるという話まで出てきています。
一体、なぜそこまでスマートメーターにこだわるのでしょうか?
実は、このスマートメーター電力会社や関連企業にとって美味しすぎる情報の宝庫なのです。
電力会社がリアルタイムの消費電力を把握できる
スマートメーターによって需要の状況を正確に判断することができるようになります。
地域ごとや家庭の構成ごとなど様々なセグメンテーションが可能になります。それによって、適切な電気料金を適応することができます。また、同時同量の原則がある電気にとって最も敏感なのが停電です。スマートメーターによってより精度の高い需要予測を立てることが可能になるので、発電の無駄を省くことが可能になります。加えて、アナログな検針が必要なくなります。現在では、電力会社の抱えるコストの内、数分の一は検針員の人件費です。これを一気にゼロにする事が可能なスマートメーターを一刻も早く導入したいわけです。
電気消費のビッグデータで見えてくるライフスタイル
メリットがあるのは電力会社だけではありません。
関連産業の企業も大きなメリットを享受できます。まず、導入段階においてシステム構築や管理体制の構築をしなければいけません。ITベンダーはこれだけで大きなチャンスを手にする事ができます。実際、現在既にNTTデータなどの大手が参入を決定しています。また、電力会社と提携することでビックデータの解析が可能になります。電気使用の状況を分析すれば、在宅時間や家庭でのライフスタイルをある程度知ることができます。これを新商品開発などのマーケティングに生かさない手はありませんね。ただ、スマートメーターから得られる情報の管理に対する規制についてはまだ詳しく決まっていないので、
どこまでの可能性が秘められているかはまだ予測することしかできません。
このようにスマートメーターは一般需要家というよりも電気関連の企業に大きなメリットを生み出すものなのです。