ブランディング関連の用語として定着しているクロスセルですが、電力自由化が近づくにつれ、電力とう文脈で新聞やニュースを賑わせるようになりました。
電力小売りでいう、クロスセルとはどういったものなのでしょうか。
クロスセル
辞書上の定義は以下のようになっています。(参考:デジタル大辞泉)
ある商品の購入を考えている顧客に対し、それに関連する商品や、組み合わせることによって割引になる商品などの購入を勧める販売方法。
これを電力に当てはめ、一言でいうと、「セット割」のことです。
電力業界で、この販売方法は特にブランド力がある企業同士が行うことで成功しやすいといわれています。
クロスセルの例
クロスセルを意識したわかりやすい事例が東京電力とソフトバンクの提携です。
この提携は、双方が有力(ブランド力のある)企業であることから、互いに大きなメリットを得られるものとなります。顧客には安心感を与えたまま新しいサービスを提供できることになります。
双方にとっての提携の意義
電力自由化の場合、東京電力などの一般電気事業者の既存顧客がほかの新電力に乗り換えてしまう可能性もあります。
しかし、ソフトバンクと提携したことで、東京電力の顧客は携帯電話・光通信の割引サービスを提供することで既存顧客が他社に乗り換えることを引き留める要因になります。
一方でソフトバンク側から見ると、顧客に対し携帯電話を使えば、電力の割引を受けられるというサービスを提供でき、新規顧客獲得の機会となります。
こういった流れで双方ともメリットを享受できるのがクロスセルです。
他の販売手法としてホワイトラベルがあります。お時間がある方はそちらの解説も合わせてご覧ください。
小売りの販売手法「ホワイトラベル」消費者目線での問題点
ホワイトラベルと業務提携をくらべてみた
クロスセル以外にも電力を安価に仕入れるための提供や販売拠点を増やすための提携など様々な動きを電力事業者は進めています。
その動きは今後も活性化していくため、随時ご確認ください。
電力事業者動向 ニュース
まとめ
クロスセルとは、簡単に言ってしまえばセット販売のことです。
東京電力とソフトバンクなど、有力な企業同士が提携し、実施することで大きな効果が望めます。