8月3日から電力小売事業者の登録が開始しました。
これは、電力自由化を前に、電力の小売販売をする事業者に対して一定の基準を定めて質の低い事業者が乱立してしまうことを防ぐ目的があるものです。
電力小売がライセンス制に
これまでは、特定規模電気事業者として経済産業省資源エネルギー庁が管轄する登録制のものでした。登録制のためどのような事業者であっても書類を正しく提出すれば認められ、資源エネルギー庁のホームページ上の一覧に追加されていました。その結果7月17日現在で710社の登録が完了しています。
(一覧表はこちら-新電力一覧表-)
これらの会社の中にはサービスの水準が低い事業者やそもそも電力供給を行っていない事業者が含まれています。そこで、今回改めて小売事業に関してはライセンス制へと移行し、資源エネルギー庁が基準を満たしたと認定した事業者のみにライセンスを発行する形になりました。
初日の申請は24社
初日となった8月3日には24社が資源エネルギー庁の窓口で書類を提出し、申請を行いました。
新電力として高圧電力販売のトップシェアを誇るエネットや昭和シェルなどが申請を行いました。申請の受理から審査、ライセンス発行まで1カ月ほどの期間を要するとされています。審査は、営業基準や安定供給基準などを元に行います。申請が受理され次第、具体的な社名が資源エネルギー庁の方から発表されるので、9月上旬ごろには2016年4月から実際に電力小売を行う事業者が明らかになる予定です。
今後の電力自由化に関するスケジュールは「電力自由化までのスケジュール」をご覧ください。
「電力小売」と「家庭向け電力販売」
今回のライセンス制への移行の対象は「電力小売業者」です。
小売というと一般消費者向けの販売をイメージしがちですが、この「電力小売」にはすでに自由化済みの高圧電力販売と特別高圧電力販売も含まれます。つまり今回の申請は、工場や学校、施設など向けに電力販売を行う事業者も必要なのです。初日に申請した24社の内何社が家庭向けの低圧電力販売を行うのかは明らかになっていませんが、「電力小売=家庭向け電力販売」ではないことは覚えておかないといけません。