花屋になるために必要なこととは?
資格は要らない!?
花屋になるための資格は何もありません。また、花屋はどんな場所で開業しても問題ありません。
職種によっては、資格獲得の必要のあるものや、同業種の競合を規制されるものもありますが、花屋にはそうした規制や規約が全くないのです。つまり、極論すれば、今すぐに既存店の隣に同じ花屋をオープンすることも可能なわけですね。
「軒下商売」と言って、他業種の大きな店舗やビルなどの前のスペースを使って、花を売ったりすることすら可能なのです。ただしそれはやはり例外的なケースですから、ここでは店舗販売の花屋を立ち上げるための開業準備についてお話ししますね。
実際に花屋になった人の体験談
必要なのは情報!
私は脱サラして花屋を始めたのですが、最初にしたことは、スクールに通うことでした。「趣味的な花のスクール」ではありません。「花屋開業のために必要なノウハウを教えてくれるスクール」です。そういう専門学校があるんです。ですから、まったく経験のない人が花屋開業を考えるなら、そうしたスクールを利用するといいでしょう。ちなみに、私が通ったスクールは、3か月で50万円のコースでした。そして、その学校で必要な知識や技術を身に着けてから、開業という運びになりました。開業準備は、スクールに通いながら進めていきましたが、あとから考えても、そのスクールでの勉強は本当に役に立ちました。さて、実際に店を立ち上げる時に、最も重要なのが店舗選びです。私は首都圏の私鉄沿線に「町の花屋さん」をやりたいと思っていましたので、複数の私鉄の駅近くの物件を、10件以上見て回りました。意外なチェックポイントを紹介しますね。ターゲットにすべきなのは、「すでに花屋が複数ある町」です。花屋が一軒もないとか、スーパーの片隅で細々と花を売っているだけ、というような場所はNG。そういう町は、花が売れないから花屋がないんです。逆に、花屋があって、そこがにぎわっているようなところは、「花が売れる町」ということになります。
私は、スクールでその話を聞いていましたので、物件選びの大きなポイントにしました。花屋を開業する際、店舗選びは商売の成否の7割ぐらいを占めるのではないでしょうか。7割はオーバーでも、半分ぐらいは、そこで成否が決まるような気がします。
開業にかかるお金はいくらくらいなのか!
気になるお金の話!
では、花屋開業にはどれくらいお金がかかるのか。もちろん、ピンキリですが、私は600万円で、花屋をオープンしました。内訳をさっと説明しましょう。不動産会社に支払う保証金および準備段階を含めた家賃合計で220万円。注意点としては、「不動産契約から開業までの準備のための家賃も発生する」ということです。当たり前ではありますが。それから、外装費ですが、これについては私はほどんどゼロで済ませました。これも花屋のいいところで、屋外でもできる商売ですから、テナント物件の状態がととのってさえいれば、外装費ゼロにすることも可能なんですよね。それから、昔ながらの花屋には「キーパー」と呼ばれる「切り花の冷蔵庫」があります。これが花屋の初期投資として大きいのですが、うちの店では使っていません。最近、これを使わない店が増えています。バケツで切り花を管理すればいいだけのこと。そして、その方が、売った後の花もちがいいんです。キーパーを使わない分、花のレイアウトに使うシェルフ類には凝りました。アンティーク家具も使いましたし、それなりにお金を使いました。また、当然、開業のための切り花、鉢花、苗類などの仕入れ費用は必須になります。さらに、仕入れと配達に使うための軽自動車購入、備品や什器(じゅうき)類の購入、それに開業にあたってチラシを作って、新聞折り込みの宣伝をしたりもしましたので、合計600万円ほどが、開業にかかりました。
夫婦二人で始めた店ですので人件費は発生しません。運営コストとしては、日々の仕入れと家賃、光熱費だけということになります。