環境面を考慮した時に、重要になってくるのが、自然エネルギーを利用して発電するグリーンエネルギーです。
グリーンエネルギーは環境に左右されるため、常に安定供給することは難しいかもしれませんが、逆に「常にそこにあるもの」でもあるので、上手に活用する事で、半永久的に発電出来るのではないでしょうか。
様々な自然エネルギーを利用した発電方法があり、その1つ1つに異なる特徴と特性がありますので、以下に詳しく説明していきましょう。
風力発電
地球上には絶えず風が吹いていますが、もしこの風のエネルギーのわずか1%を電力に使うことができれば、世界の人々の必要とするエネルギーをすべてまかなうことができるといわれています。
吹いてくる風を風車で受けて発電機を回転させれば電気を取り出すことができます。風を受け止める羽根の形はその地域に吹く風の性質によって、プロペラ形、ダリウス形などさまざまなものが選ばれますが、わが国ではプロペラ形が一般に使われています。
また年間を通じて、およそ毎秒6~7メートル以上の風が吹いているところが望ましく、適する場所としては、岬や海岸沿い、山岳地などに限られます。
たとえばわが国の竜飛岬(青森県)にある風力発電所では、一基あたり300kW(100軒の家庭の電力をまかなう程度)のものが12基ほど設備され、周辺地域に電力を供給しています。
海水の温度差で発電する
海水がもつエネルギーは、海洋エネルギーと呼ばれ、大きな潜在エネルギーをもっています。
たとえば海洋温度差発電といって、海水の温度差を利用する方法があります。海洋表面の温かい海水と、深いところの冷たい水の温度差を利用して電力をつくろうというもので、本格的に研究が進められています。
海洋温度差発電では、蒸気を水ではなく、沸騰点が非常に低いアンモニアやフロンでつくります。
アンモニアもフロンも温かい海水の熱だけで液体から気体になり、この気化エネルギーでタービンを回して発電するのです。
海洋温度差発電は、昼夜のべつなく連続して発電できる特長があります。表面温度と水深1千メートルの温度差が20℃以上とれる場所として、九州南岸や小笠原諸島付近が候補にあげられています。
地熱による発電
自然エネルギー発電の中では、以前から多く設備されてきた発電型式が地熱発電です。
地殻中における地熱の源は、主として岩石中の放射性元素が崩壊する際のエネルギーですが、地熱発電所では自然地下水が1千t前後のマグマによって熱せられ発生する高温・高圧の蒸気を地下から取り出して発電します。
噴出する地熱流体は蒸気と熱水が混合されているので、蒸気と熱水を分離機で分けて、蒸気はタービンに送り込み、熱水は地下に返します。地熱発電所は火力発電所のようにボイラは必要ないわけですが、蒸気が硫化水素などを含んでいるため、タービンが傷みやすいという問題もあります。