森永乳業と言えば「おいしいをデザインする」のスローガンで有名な日本の大手乳業メーカーです。
そんな森永乳業がコーヒー飲料やヨーグルト、流動食などを生産する主力の神戸工場に最新の省エネ技術を取り入れていました。
神戸工場ではコーヒー飲料の生産過程から出る、年間約1万5000トンにも上る「コーヒーかす」の処理が大きな問題となっていました。
その問題をいっきに解消できるのがバイオマス熱利用設備です。
様々な商品を生産する過程で生じる食品かすを、水分量に応じて燃料に変えてしまいます。
コーヒー飲料やヨーグルト飲料から出る水分量の多い排水はメタン発酵させることでバイオガスとしてボイラー用燃料に変換。
水分量の少ないコーヒーかすは乾燥機にかけることで固形燃料としてボイラー用燃料に変換されます。
こうして燃料を得たボイラーで生じた水蒸気に気圧をかけることで140~150℃まで温度を上昇させ、工場内で製造しているすべての飲料の加熱処理に利用しているのです。
食品かすを利用した水蒸気による加熱処理で今までボイラーに使用していた天然ガスや石油などの燃料の削減に成功しています。
更に、CO2の削減量は年間1900トンにも達し、環境省から「循環型社会形成推進功労者」として表彰もされています。
以前、「驚愕の発電方法!トップ5」でも香川県がうどんを利用したバイオマス発電に取り組んでいることを紹介しました。
近年、再生可能エネルギーの一つとして廃棄資源を有効活用できるバイオマス発電に更なる注目が集まっています。
いつか、私たちの食卓を彩る食材も全てバイオマス燃料として使われるようになる日が来るのかもしれません。