2016年に家庭への電力小売りが自由化されるのを受け、数百社ともいわれる企業が新規参入に興味を示しています。
今回はどんな企業が新規参入をしようとしているのか見ていこうと思います。
新規参入予定の企業
東京ガスや大阪ガス、JX日鉱日石エネルギーといった電力と関連のある企業からソフトバンクやパナソニック、トヨタ自動車など直接は電力事業と関連しないような企業まで数多くの企業が新規参入を表明しています。これらの企業を大きく分類すると、「クリーンエネルギー関連企業」「ガス関連企業」「燃料関連企業」「メーカー」「通信・メディア企業」「商社」「電力供給特化企業」の7つに分類できます。
また、各分野・各企業が有するものと無いものがあります。
ここでは家庭向けに電力を供給する際に重要な指標となる、発電設備の有無・大口電力の有無・集金システムの有無を取り上げました。
カギとなる3つの要素
クリーンエネルギー関連企業
太陽光発電や風力発電などのクリーンエネルギー発電事業を行う企業。
+発電施設を所有していて環境に優しい電力を供給可能です。
-対一般消費者でのビジネス展開がこれまでなかったので、月々の利用料金の集金システムや顧客管理のシステムが確立されていないのが弱みです。
ガス関連企業
都市ガスを提供する事業を行う企業。
+LNGを使った火力発電施設を所有しており、安定した電力供給が可能です。
+現在のガスサービス・集金システムと結合させるだけで運用が可能になります。
-地域ごとに会社が分かれているので既存の顧客が地域内に限られてしまいます。
燃料関連企業
石油などの燃料の輸入販売事業を行う企業。
+燃料を卸売価格で使用することができ、発電コストを安くすることができます。
-ガソリンスタンドでの小売りノウハウはあるものの、月極契約での事業のノウハウがないのが弱みです。
メーカー
一般消費者向けのものから企業向けのものまで製品を製造して提供する企業。
+一般利用者への知名度が高くブランド化されている企業が多いです。
-発電施設を持たず、電力販売に関してのノウハウはありません。
通信・メディア企業
携帯電話のキャリアやインターネットプロバイダといった事業を行う企業。
+月々の後払い清算・豊富なプランからの選択などビジネスモデルが近く、既存のサービスと関連付けやすいのが強みです。
-発電施設がなく、電力関連の事業が全くないのが弱みです。
商社
輸入事業や海外への投資案件などを進める企業。
+発電所の買収を積極的に行っており、海外展開も視野に入れた大規模なサービス提供を目指しています。
-基本的にBtoBビジネスがメインなので一般の消費者に対してサービスを提供するノウハウを持ち合わせていません。
電力供給特化企業
電力自由化に合わせて設立された企業。
+電力供給に特化しているため、利用者が求めるサービスの提供が可能です。
-これまでの経験がないため、サービス停止や倒産に陥ってしまう可能性があります。
数百社の新規参入が見込まれる電力小売市場。そのすべてを比較するのは大変です。自分に合ったカテゴリの会社を見つけてその中から最適な1社を探しましょう!
参考URL
http://www.sankei.com/economy/news/140508/ecn1405080042-n2.html