目次
春は転勤により単身赴任を始める人、また進学するため新生活を始める人が多い季節です。そのため、一年で最も人の動きが激しい季節と言えるでしょう。
そのなかでも家電は、新居での生活を始めたその日から使うものです。知らず知らずのうちに使い方を間違えてしまい、困ったことになる場合もあります。
ここでは新生活を順調にスタートできるよう、トラブルを未然に防ぐポイントを示しました。ぜひ確認してみてください。
調理家電
新生活で最も使うことが多い家電は、調理家電といえるでしょう。
特に学生はあまりお金がない代わりに社会人よりも時間があることが多いですから、自炊にチャレンジする人も多いと思います。
便利な調理家電ですが、使い方には注意が必要です。
1.電子レンジは使い方に注意!爆発や火災の危険あり
電子レンジは熱を加えなくても食品を温めることができる、便利な家電です。
しかし卵やウィンナーソーセージ、栗やいかなどは爆発の危険がありますから注意が必要です。ウィンナーソーセージやいかなどは、表面の膜に切れ目を入れる必要があります。
また卵をそのまま入れたり、にんにくなど臭いの強い食品を電子レンジで温めるのはやめましょう。
内部で爆発すれば電子レンジ内はもちろん汚れてしまいます。また爆発の衝撃でドアが開いてしまえば、室内のあらゆる物に汚れや臭いがついてしまいます。
さらに液体を電子レンジで温める場合は、温め過ぎによる突沸に注意が必要です。
やけどをする場合もありますから、飲み物用のあたためボタンを使うなど控えめに加熱しましょう。
一方、電子レンジの内部が汚れていると、汚れが加熱することで発煙や発火することがあります。こまめに掃除することが大切です。
なお、どんな食品でも加熱し過ぎると火災や発煙の原因となります。そのため、食品のパッケージ等に書かれている加熱時間を大きく超えないよう注意してください。
詳しくは、当サイトの以下の記事をご確認ください。
1、電子レンジ、この食品に注意! ~その1.爆発しやすい食材と防止方法について~
2、電子レンジ、この食品に注意! ~その2.液体の温めは突沸に注意~
3、電子レンジ、この食品に注意! ~その3.発煙・発火しやすい食材・食品~
4、電子レンジに入れて良い容器はどれ?陶器やガラス製、プラスチックは使用していいのか?
5、電子レンジは汚れていると発煙・発火・故障をすることも!?~手入れ方法とその必要性〜
2.IHクッキングヒーターは、炎は見えないが高温注意
IHクッキングヒーターは火を使わず調理ができる、便利な家電です。
しかし調理ができる位ですから表面温度は300℃にも達し、触ればやけどをしてしまいます。火が見えない分、どこを触れば高温なのかが一見わかりにくい点にも注意が必要です。
また揚げ物など、加熱中にIHクッキングヒーターのそばを離れたままにしていると火災が起きる可能性があることは、ガスコンロ等と同じです。
詳しくは、当サイトの「ココに注意!IHクッキングヒーターの事故事例と使い方」をご参照ください。
蛍光灯がつかない原因はランプだけでなく、点灯管の可能性もある
最近の住宅ではLED照明も増えてきていますが、古い住宅の中には蛍光灯を使っている場合もあります。
その中でも古いタイプの蛍光灯は、ランプだけでなく点灯管も必要です。
点灯管はFGやFEから始まる型番の、親指くらいの大きさのランプです。蛍光灯を点灯させるために必要な部品ですので、これが無いとランプがつきません。
点灯管が必要な蛍光灯かどうかは、ランプの型番を確認するとわかります。
真っ直ぐな形のランプならばFL(但し、FLRで始まるランプは点灯管不要)、円形ならFCLで始まるランプは点灯管が必要です。
点灯管は高価な商品ではありませんので、ランプとともに交換すると安心です。
ノートパソコンや携帯電話・スマホは低温やけどに注意
ノートパソコンや携帯電話・スマートフォンを使う際には、低温やけどに注意が必要です。
ノートパソコンには、キーボードの手前に手を置く部分があります。パームレスト部と呼ばれる部分ですが、この部分は高温になりやすい場所でもあります。
もしこの部分に顔など、肌が触れた状態で寝てしまった場合、低温やけどになる可能性があります。独立行政法人・製品評価技術基盤機構によると、実際に顔に低温やけどを負ってしまった方もいるとのことです。
また携帯電話やスマートフォンの場合は、充電中や負荷の高いアプリを起動している場合など、高温になる場合があります。このような状態で肌に触れたまま寝てしまうと、低温やけどになる可能性があります。
こちらも東京都から公表されている情報では、実際に腕に低温やけどを負った方もいます。
低温やけどは44℃といった体温より少し高い温度でも、3~4時間触れることで起きるといわれています。50℃では2~3分で低温やけどになることがありますから、注意が必要です。
そのため、ノートパソコンの場合は寝る前に電源を切りましょう。また携帯電話やスマートフォンの場合はなるべく体から離すようにして、低温やけどを防ぎましょう。
電気ストーブの利用には特に注意を
電気ストーブは買ってきてコンセントに差し込めば、すぐ暖かくなる家電です。石油ストーブは灯油の管理が面倒ですが、電気ストーブならその心配もいりません。
火が見えないため、安全と思っている方もいるでしょう。
しかし電気ストーブの前や上部は数百度以上の高温になり、大変危険です。このようなところに可燃物を置いておけば、短時間で火災になってしまいます。
そのため、電気ストーブの近くに燃えやすいものを置いたり、電気ストーブをつけたまま寝る等は厳禁です。
詳しくは、当サイトの「5年間で400件以上!!電気ストーブの火災、注意点と対策を徹底解説!!」をご参照ください。
電源コードやプラグが傷んでいたら使用中止
家電には電池で動くものを除き、電源コードやプラグが必ずついてきます。
もし電源コードが傷んで中の銅線が見えていたり、プラグが曲がっている場合は、使用を中止して製造メーカー等に相談する必要があります。
あわせて、トラッキング現象による火災を防止することも重要です。プラグをコンセントに挿す前に汚れがないか確認し、ほこり等があれば拭き取る必要があります。
また電源コードを保管する際はきつく折り曲げてしまいがちですが、これも極力避けましょう。それよりも円い形に束ねる方が、より安全に保管できます。
なお電源コードの上に物を乗せる等の行為は厳禁です。
詳しくは、当サイトの「意外と知らない電源コードの取扱い方と構造 ~事故に遭わないための6つのポイント~」をご参照ください。
今の家電を処分する場合
引っ越しをする機会に、今の家電を処分することもあると思います。
処分方法は家電の種類や大きさによってdf異なります。また自治体によってもルールが大きく異なりますので、お住まいの自治体のWebサイト等でご確認ください。
あわせて、当サイト「冷蔵庫、エアコンやこたつ!大型家電の正しい処分方法と金額、注意点について!」もご参照ください。
また以下の家電については、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法により、処分方法が決められていますので注意が必要です。
l テレビ
l エアコン
l 洗濯機
l 衣類乾燥機
l 冷蔵庫、冷凍庫
l パソコン、パソコンディスプレイ
詳しくは、当サイト「テレビ、冷蔵庫などの捨て方!リサイクルが指定されている家電の見分け方と方法!!」記事をご参照ください。
なお電池については、多くの自治体で他のごみと区別して回収されている他、充電池については家電量販店等に設置されている「小型充電式電池のリサイクルBOX」に入れることになっています。
詳しくは、当サイト「電池の捨て方は種類ごとに異なる!? ~見分け方と処分の方法を徹底解説~」記事をご参照ください。
家電を購入する際は、処分のことも考える
新しい家電を購入する際は、処分のことを考えて購入することが大切です。
家電リサイクル法や小型家電リサイクル法の対象となる家電、電池についての処分方法はある程度決まっています。
しかし、それ以外の家電は自治体により処分方法にばらつきがあり、ある自治体では不燃ごみで処分できるところ、別の自治体では粗大ごみになる場合もよくあります。
このため不燃ごみで出せるサイズはどの大きさまでか、予め自治体のWebサイト等で確認の上、家電を購入することをおすすめします。
また小型家電については、自治体によっては「小型家電リサイクルボックス」を設置している場合があります。
これはボックスに入れるだけで処分が完了するので、大変便利です。
詳しくは当サイト「パソコン、カメラ、オーディオなどの小型家電!7つの処分方法をご紹介します」をご確認ください。
まとめ
ここまで、新生活で起こりやすいトラブルについて説明してきました。皆様の中には、ここにあげたトラブルを起こしてしまった方もいるのではないでしょうか。
紹介した中で多く取り上げられている内容は、熱によるトラブルです。電気は炎が見えませんから、熱くならないと思いがちですがそうではありません。
電気ストーブやIHクッキングヒーターに代表されるように、電気の力でも数百度まで熱することは可能であり、この温度まで熱せられるとたいていのものは燃えてしまいます。
また44℃といった体温より少し高い温度でも、低温やけどのおそれがあります。低温やけどは湯たんぽなどが代表例ですが、パソコンやスマートフォン等も原因となりますから注意が必要です。
熱以外では、電子レンジによるトラブルが代表的です。ニンニクが爆発すると部屋中全体に臭いを充満させることになります。また卵などが爆発すると掃除が大変です。
さらに液体を加熱し過ぎると、突沸によりやけどを負う可能性があります。
その他にも電源コードやプラグの不具合は火災の原因となります。一方、蛍光灯のランプを交換しても点灯しないと慌ててしまいますから、その理由を知っておくと安心です。
慣れない新生活だからこそ、スムーズにスタートさせたいものです。この記事によって、少しでも皆様の心配が取り除ければ幸いです。