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節電・節約だけが、電気料金を下げる方法じゃない!
皆さんは「高圧一括受電」サービスをご存知ですか?
集合住宅にお住まいの方はもしかすると聞いた事があるかもしれませんが、集合住宅向けの電気代削減サービスとして通常の電気料金より5%程度(専有部)の割引が受けられるサービスです。
一括受電サービスの仕組み
一括受電サービスを受けると、何故電気代が安くなるのか。
仕組みとしては非常に簡単で、
単価の安い電気をまとめて購入して、みんなで分け合うことで電気代が安くなる。
皆さんご存知の通り、現在の電力契約は「電力会社⇔お客様」となっていますが、
一括受電サービスの場合は、「電力会社→一括受電業者⇔お客様」となり、一括受電業者が、集合住宅で必要な電気をまとめて契約することで、単価を抑えた電気を仕入れることができます。
まとめて購入した高圧電気を、一括受電業者が敷地内に設置した変圧器で家庭使える低圧電力に変圧して、各住居に電気を運びます。電気自体は電力会社から仕入れた電気になりますし、一括受電業者が設置する設備による変圧・配電が行われるため電気の品質に違いはありません。
メリット
電気代の削減が可能
共用部は20%程度、専有部は5%程度の割引が可能になります。(※建物状況により変動)
共有部の料金を割引した場合、管理費としてお支払している電気代(エントランス・エレベーター)の削減が可能になり、修繕積立費の不足や管理費の値上げを防ぐこと可能になります。専有部の料金を割引した場合、毎月の電気使用料金が削減され使用状況によっては、合算で1か月分の電気料金を削減できる場合もあります。
スマートメーター
エネルギー管理システムと遠隔検針
一括受電業者によるスマートメーターへの切替が行われます。(アナログメーターの場合もあり)
スマートメーター設置により、30分単位での電力見える化や、電力逼迫時の節電依頼・節電協力による特典付与などのサービスが利用でき、効率の良いエネルギー利用が可能になります。
また、現在検針員と言われる電力量を検針する方が地域電力会社から月一回ご自宅のメーター確認に来ていると思いますが、スマートメーターによる遠隔検針が可能になるため、
敷地内の立ち入りがなくなり安全面の向上も図れます。
デメリット
長期契約
長期間の割引が適用されると考えるとメリットになりますが、契約期間は10年~15年の長期契約になります。また、マンション全体で一括受電業者と契約を結びますので、個別の解約ができない点もデメリットとなります。マンション全体で契約途中の解約も可能ですが、導入費用等の返納が必要になる場合や切り替えの手間もありますので、注意が必要です。
提供できない場合もある
多くの一括受電業者が設定している提供条件を見てみましょう。
・40戸以上の集合住宅
・変圧器の設置スペースの確保
・分譲のファミリータイプのみ
・その他
上記が提供条件の一例です
電気設備の点検(停電)
約3年に1回、停電を伴う電気設備の法定点検が実施されます。
法定点検は電気事業法で定められているので、契約期間中は必ず発生します。点検時に蓄電等で無停電点検を行う業者もありますが、原則は停電による点検になります。
電力自由化が控えている
2016年4月より開始される電力小売り全面自由化(以下、自由化)が開始になります。電気料金が安くなる、携帯やガスとのセット割、付加価値サービスなど様々なニュースが流れていますが、集合住宅にお住まいの方は「一括受電」というサービスがあることを知っていただき、皆さんの生活に適した電気を選んでもらえればと思います。