8月31日付けのプレスリリースで大阪ガスが電力小売事業者としての申請を経済産業省・資源エネルギー庁へ行っていたことが発表されました。
増え続ける小売事業者申請
8月3日の初日だけで、24社の申請があった小売事業者申請。8月25日には50社以上の申請が行われた模様と報道されています。資源エネルギー庁は調査、認定に1カ月ほど要するとしているので、9月上旬以降、随時受理された企業の発表されると思われます。営業ガイドラインや安定供給の確保など一定の基準が設けられるため申請が100%受理されるわけではありません。そのため、受理されなかったときのリスクを考え申請を公表しない企業が多く、50社以上が具体的にどの会社なのかは明らかではありません。
参考記事:
『電力小売の登録が開始。初日には24社が申請』
『【速報】小売電気事業者の申請が50社を突破』
大阪ガスの電気事業戦略やいかに
大阪ガスは従来からの顧客基盤を生かして、初年度に20万件、2020年代までに70万件の電気契約顧客獲得をめざすとしています。
順風満帆とは言えない本業のガス事業
大阪ガスが今新規参入者というチャレンジャーの立場で電気事業に参入するのには理由があります。本業ガス事業が今、窮地に追い込まれつつあるのです。ポイントは2つです。
・オール電化の安定的な増加傾向
・ガス自由化
まずは、オール電化の増加している事です。毎年安定的にその数を伸ばしています。この増加の裏には、マンションの高圧一括受電による電気のメリットの最大化や震災後のガス復旧の遅さによるイメージダウンなどがあると考えられます。どちらにしても、オール電化世帯が増えるとガス契約数そのものが減少してしまいます。それに加えて2017年のガス自由化があります。今までは、ほぼ独占的に関西圏の都市ガス事業を担ってきた大阪ガスにとってガス自由化は由々しき事態です。これ以上の顧客流出を防ぐ意味でも電気事業進出は必要不可欠な選択肢であると言えるでしょう。しかし、一般電気事業者(関西では関西電力)が顧客流出防衛策を各方面から講じ、通信の大手ケイオプティコムの参入も決まった関西で、どこまで顧客を獲得できるのかふたを開けてみないとわからないようです。
参照元;
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20150901_04.html,
http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2015/1226802_15658.html