グリーンエネルギーの欠点
太陽光発電や風力発電は、まだまだ稼働率が低く天候による変動が大きいという問題があります。
地熱は稼働も安定し直接利用できるが、場所が限られるうえ賦課量が少なく、太陽熱は給湯以外の用途には使いづらい、と言ったように熱の再生可能エネルギー化の課題を考えるとき、中心的なエネルギー源として有力なのがバイオマスです。きちんと精製すれば化石燃料と同じように利用することが可能なのです。
進まないバイオマス
しかし、日本ではこれまで何度もバイオマス利用へ取り組んできましたが、廃棄物発電以外は必ずしも成功していません。
その1つの理由としては、バイオマス専用の設備を作ったため、設備とバイオマスの収集にコストがかかった事があげられます。
そこで目を付けたのが、化石燃料用の設備にバイオマス燃料を混入する、石炭焚きのボイラーに固形のバイオ燃料を混入する、といった方法です。
コジェネレーションシステム
熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの事をコジェネレーションシステムと言います。
コジェネレーションシステムは、日本の発電シェアの約半分を担っている熱を有効利用することが可能なことや、近年原発停止で化石燃料のコスト負担が深刻になる中で注目を集めています。
化石燃料から電力への変換効率は、コンバインドサイクルシステムを駆使した世界最高の大型火力発電システムで50%後半から60%程度となっています。
これに比べて、コジェネレーションの発電効率は45~50%程度と及ばないが、送電線端で見れば、その差は5%弱に下がります。
バイオガスとの連携
また、廃熱利用を図れば、化石燃料からエネルギーへの総合変換効率は80%程度まで高めることが可能なため、大型火力発電の変換効率を凌駕することが出来ます。
大型火力発電所は、需要地と離れているので、排熱は海に捨てるしかありません。
ここにバイオ燃料を混入すれば、再高効率でエネルギーを利用することが出来ます。
コジェネレーションは天然ガスを利用するケースが多いので、精製したバイオガスを一部混入するだけで良いのです。
また、需要に合わせた制御が可能なので、太陽光発電や風力発電と比較し、はるかに使い勝手が良いと言えるでしょう。
コジェネレーションは日本だけでなく、近年建設が進む新興国でのスマートシティでも注目されています。
スマートシティでは、太陽光発電などの再生可能エネルギーが目立ちますが、再生可能エネルギーだけで都市のエネルギー需要を満たす事はできません。
スマートシティの建設目的は、都市化が進みエネルギー需要が拡大する中で、エネルギーセキュリティが高く、化石燃料消費を抑えることにあります。
こうした目的に最も即したのが、コジェネレーションなのです。