鍵となる風力発電
風力発電の発電量はブレード(羽)の長さの2乗に比例するため、年々大型化が進んでいます。
しかし、エネルギー変換効率はすでに理論限界近くに達していると考えられています。
つまり、それだけ技術が成熟しているとも言えますので、場合によっては火力発電を下回る発電単価での運用も実現可能となります。
それにも関わらず、日本で導入が遅れる理由は何でしょう。
工事の難しい山間部などが多いうえ、雷や乱流が多いと言う日本特有の事情もありますが、最大の理由は、電力系統への影響が過剰に懸念されてきたからです。
日本の電力品質は、家電機器の近年の電圧制御機能の充実を考慮すれば過剰すぎるほどだと言われています。
環境省の試算によれば、再生可能エネルギーの中で最も導入ポテンシャルが大きいとされているのが風力発電なので、電力品質への過剰なこだわりを見直すことで、日本でももっと導入できる余地があります。
熱エネルギーの取り組み
FIT制度の最大の目的は、エネルギー供給量に占める再生可能エネルギーのシェアを高めることです。
どのようにすれば低いコストで容易に再生可能エネルギーを増やせるかを考えたとき、注目すべきは熱エネルギーの取り組みです。
FIT制度は電力だけを対象としていますが、日本のエネルギー需要の半分以上は熱エネルギーによって補っています。
したがって、電力を仮に100%再生可能エネルギー化出来たとしても、残りの半分は再生可能エネルギー化出来ないことになります。
出来る限り電化を図る事も考えられますが、コストがかかりすぎると経済性の高い手法から導入を図る、と言う趣旨からずれてしまいます。
そこで、重要になってくるのが、熱自体を再生可能エネルギー化することです。
熱エネルギーを電力に変換し、再び熱に戻して利用する場合は、熱→電力→熱、と言った2段階の変換が必要となり、二重のロスが生じてしまいますが、熱をそのまま使用することで変換ロスが減ります。