日本で2016年4月に行われる電力自由化。
海外では既に自由化されている国は数多くあります。
電力自由化が行われて十年以上が既に経過している国もあります。
「電力自由化によって、電気料金が逆に上がってしまった」「大規模停電が頻発した」といった失敗例もたくさんあります。
それらの失敗を糧に日本の電力自由化は消費者である一般家庭にとってリスクとならない形で慎重に進められています。
停電の可能性も今より高くならないように設計されています。
電力小売を行うには資源エネルギー庁の認可が必要なライセンス制になっています。
一般需要家が電力自由化のメリットを最大限に享受できるように試行錯誤が行われています。
とはいえ、まだ始まっていないのでどうなるかは誰にもわかりません。
まずは、海外事例を見て、失敗した例や原因を考えてみましょう。
ヨーロッパの電力自由化
ヨーロッパは世界に先駆けて電力自由化が行われた地域です。
特に、イギリスや北欧では90年代前半から電力自由化が開始され、既に10年以上が経過しています。
ヨーロッパでの電力自由化を研究してみると、日本が自由化した後どのような道をたどるのか見えてくるかもしれません。
ただし、一口にヨーロッパといっても、国によって、発送電分離のやり方や参入規制のやり方などに大きな相違があります。
アジアの電力自由化
アジアではまだまだ電力自由化は一般的とは言えません。
今でも国営の電力会社が電力小売を独占している国も多いようです。
アジアでいち早く電力自由化したのはお隣の韓国ですが、体制が日本とは全く違うので近いからと言って参考になるかは疑問です。
アメリカの電力自由化
カリフォルニアの大停電などアメリカは電力自由化後に多くの大規模停電を経験しました。
そのため、アメリカの電力自由化は失敗だったと結論付ける専門家が多いようです。
しかし、州によって法律が異なるため電力自由化の規制も異なり、一慨に失敗したというのは短絡的な感じがあります。