家電の中にはリサイクルが義務化されており、処分方法が指定されているものがあるということ、またその見分け方をご存知ですか?
皆様は引っ越しなどにより家電を捨てる必要性が出た時、「大きなものは粗大ごみ、小さなものは不燃ごみ」というような感覚を持っていませんか?
それは必ずしも正しくないかもしれません。
家電の中にはリサイクルが義務化されており、処分方法が指定されているものもあります。
指定された家電を処分する場合は、処分料金を払う必要があったり、指定された場所へ持ち込む等の対応が必要となります。
この記事では、リサイクル指定家具の見分け方と、処分方法について解説していきます。
リサイクル対象家電
リサイクルが義務化されている家電は、主に家電リサイクル法で指定されています。
対象となる家電は、以下の4品目です。
(1)テレビ
(2)エアコン
(3)冷凍庫、冷蔵庫
(4)洗濯機、衣類乾燥機
各品目とも、リサイクル対象となる場合、ならない場合があります。各々のケースについて、これから説明していきます。
テレビ
対象となる製品
ブラウン管テレビ、液晶・プラズマ式テレビが対象です。ハードディスクやDVDが内蔵されている場合も対象です。
対象外の製品
プロジェクションテレビは対象外です。
また液晶テレビでも、電池式、ACアダプター等による充電式、携帯型テレビ、車載用テレビは対象外です。
なお、パソコンのディスプレイモニタはパソコンと同様、小型家電リサイクルの対象となります。
エアコン
対象となる製品
以下の製品が対象となります。
(1)セパレート形(室内機と室外機があるもの)は壁掛け形か床置き形
(2)ハイブリッドエアコンは壁掛け形か床置き形
(3)ガスヒーターエアコンは壁掛け形
(4)ハイブリッドエアコンは壁掛け形
(5)マルチエアコンは壁掛け形、床置き形
(6)窓用エアコン
対象外の製品
天井や壁に埋め込むタイプのエアコンや、天井から吊下げるエアコンは対象外です。
また除湿器、ウィンドファン、冷風機、冷風扇、除湿器は対象外です。
冷凍庫、冷蔵庫
対象となる製品
冷凍冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵庫、ワインセラー、保冷庫、冷温庫が対象となります。
対象外の製品
保冷米びつ、冷水機、製氷機は対象外となります。
洗濯機、衣類乾燥機
対象となる製品
全自動洗濯機、2槽式洗濯機、洗濯乾燥機、電気衣類乾燥機、ガス衣類乾燥機が対象となります。
対象外の製品
衣類乾燥機能のついた布団乾燥機やハンガー、ハンガー掛け、換気扇、除湿器は対象外です。
また脱水機も対象外となります。
リサイクル方法
処分しようとしていた家電が上記のリサイクル対象になった場合、主に「家電量販店」「回収業者」「自治体」と3つの処分、回収方法を選ぶことができます。なお、いずれの方法も有料です。
料金の支払い方法は、小売店や回収業者が家電リサイクル券センターの会員である場合とそうでない場合で異なります。
1、家電量販店等の小売店
家電量販店等に依頼する場合は基本的に買い替えの場合となり、新しい家電を購入すると同時に処分することができるので、手間もかからず多くの方が利用したことがあるでしょう。
また一部の店舗では店頭や訪問で回収だけの対応もしてもらえる場合があります。
2、回収業者〜家電リサイクル券センターの会員の場合〜
この場合は、回収して欲しい時に回収業者に申し込みましょう。自宅に回収を依頼する場合は、予め回収日時を打ち合わせる必要があります。
家電リサイクル券は回収業者が持ってきますので、あなたはここに必要事項を記入し、リサイクル料金と運搬料金を添えて回収を依頼すれば完了となります。
なお、小売店や回収業者が、家電リサイクル券センターの会員でない場合は以下、「3、自治体」と同様の手続きとなります。
3、自治体
この場合は、予め郵便局の窓口で家電リサイクル券を入手し、リサイクル料金をゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で支払う必要があります。
リサイクル料金はメーカーにより異なりますので、家電リサイクル券センターのホームページにて確認の上、間違いないように記入してください。
なお回収を依頼する際、別途運搬料金を回収業者に支払う必要があります。
また自治体によっては家電リサイクル法対象の家電を回収しない市町村もありますので、事前に確認が必要です。
また、小売店や回収業者が、家電リサイクル券センターの会員でない場合も同様の手続きとなります。
パソコンの処分方法
リサイクルが義務化されている家電の中でも、パソコンは小型家電リサイクル法にのっとり回収されています。そのため、他の家電とは異なった扱いとなっています。
無料で回収できるケース
家庭用パソコンには、以下にあげる通り、無料で回収できるケースや場所が用意されています。
回収場所も数多く用意されていますので、特にノートパソコンであれば無料で引き取ってもらえる場所に持ち込める形も多いといえるでしょう。
パソコンに「PCリサイクルマーク」がついている場合
参照:http://www.city.nagano.nagano.jp/site/kateigomi/2358.html
2003年10月以降に販売された家庭用パソコンには、原則としてすべての製品にPCリサイクルマークがついています。なお、白黒のマークであっても有効です。
このマークがついている製品は、購入時にあらかじめ回収再資源化料金が含まれた値段で販売されています。そのため、廃棄時もパソコンメーカーが無料で引き取り、リサイクルします。
但し、パソコンメーカーが倒産した場合は、PCリサイクルマークがあっても有料引き取りとなりますのでご注意ください。
回収するには、まずメーカーの窓口に連絡します。エコゆうパック伝票が送付されてきますので、荷造りをしてこの伝票を貼付し、郵便局で差し出して完了です。
パソコンの回収を行っている家電量販店等で回収を依頼する
エディオン、ケーズデンキ、上新電機などの店頭で、使用済みパソコン本体の引き取りを行っています。PCリサイクルマークの無いパソコンでも無料ですので、積極的に活用すると良いでしょう。
小型家電回収ボックスに入れる
自治体によっては、公共施設等に設置している「小型家電回収ボックス」でパソコンを回収している場合があります。該当する市町村にお住まいの場合は、活用すると良いでしょう。ただボックスに入れるだけでよく、手間いらずです。
なお、ボックスに入れられる大きさには制限がありますので、予めホームページ等で確認しておきましょう。
イベント等で回収を依頼する
リサイクルをテーマにしたイベント等で、回収の窓口が用意される場合があります。このような箇所でも回収してもらえる場合がありますので、窓口にて回収の可否を相談すると良いでしょう。
回収が有料となるケース
PCリサイクルマークの無いパソコンを処分する場合、倒産したメーカーのパソコンの回収を「パソコン3R推進協会」に依頼する場合は有料となります。
1台当たりの料金は、税抜でおおむね4000円~5000円が目安です。
まとめ
ここまで、処分する際に注意が必要な家電について解説しました。
エアコンやテレビ、冷蔵庫や冷凍庫、乾燥機や洗濯機は、料金を払って処分しなければならないことをご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この処分料金はメーカーにより定められた料金ですので、基本的にはどの業者に依頼しても料金は変わりません。従って、処分する際に料金を払うことから逃れることはできません。
もっとも、各品目とも対象外の品目があります。例えばテレビは、電池や充電式のものは液晶テレビであっても対象外です。他の品目についても、処分したい家電が対象外品目にはいっていないかどうか、あわせて確認することが必要です。
パソコンについては、12~13年以上使っている機種でない限り、基本的には無料で回収してもらえると考えて良いでしょう。PCリサイクルマークがついていることを確認してください。
また、一部の家電量販店等の店頭、一部の自治体の小型家電回収ボックスでも回収できます。回収が可能かどうかは、各家電量販店等や自治体のWebサイトで確認してください。