次世代送電網であるスマートグリッドなど、「最新技術を使い、快適でエコな社会インフラを導入した不動産開発」スマートシティ開発に向けた動きが活発化しています。
活発化するスマートシティ開発
活発化の背景
国内では、震災や原発事故などで電力不足や節電が避けられない中、スマートコミュニティへのニーズが高まり、多少価格が高くとも、その土地の資産価値の高さを求める消費者が増えているためスマートシティ開発が活発化しています。
開発された街
たとえば、藤沢サスティナブル・スマートタウンでは、太陽光パネルや家庭用蓄電池を全1,000戸への導入や街全体でエネルギー管理をする等、大規模なスマートシティ開発を、他業種9社と藤沢市による共同で行っています。
日本でも有名な天津エコシティでは、2020年までに30平方キロメートル、35万人の都市を新設し、再生可能エネルギー利用率20%、エコ交通利用率90%、100%のグリーン建築などを目標に開発しています。すでに基礎となるインフラ整備が着工されており、第1期の用地は完売と上々な滑り出しをしました。
しかし、最近の傾向としては、天津エコシティのような大規模で長期間を要す開発案件はリスクが高いことから、数年で完成可能な数平方キロメートルのコンパクトなスマートコミュニティ開発を目指した動きが出てきています。
ビジネスが基本とは言え、単独での採算のみを見越しているのではなく、これを先進的なモデルとして、自社にノウハウ・実績を積み上げ、世界のスマートシティ構想へ展開・発信していきたいという狙いを含んだ取り組みです。
海外のスマートシティ開発
海外では、中国の例を挙げると、急速な経済成長と人口増加、特に都市部への人口集中によって電力供給が全く追いついておらず、慢性的な電力不足が起きています。そのため中国のスマートシティ構想は国家プロジェクトとして推進されており、約200ヶ所で計画されています。
世界でのスマートシティ開発の市場規模は2030年までに総額41兆ドルとも言われており、その開発需要を見据え、各社が他業種コンソーシアムを組み国内・海外で多数のスマートシティプロジェクトが実施しています。