従来の送電網とスマートグリッド
送電網の目的
具体的な説明に入る前に、送電網の目的とは何かを説明します。
それは「電気を安定的に消費者に送ることです。」この安定的とはどういうことか、説明した記事がありますのでそちらを参照してください(記事:安定供給とは)
従来の送電網
周波数を安定させるために、電気の需要と供給を合わせる必要があるのですが、
従来の送電網を利用して配送電を行うと、30分ごとの電力需要を予測し、電力を供給することになります。
この需要予測に基づく供給は、周波数が変化しない程度には正確です。
しかし、あくまでも30分ごとの予測ですので、電気を多く作ることがあります(停電の原因になるため、少なく作りすぎることはない)。
多く作るということは、その分無駄に発電しているということです。このような無駄を生むという課題が、従来の送電網にはあります。
スマートグリッドは普通の送電網と何が違うのか
スマートグリッドを利用することで、従来の送電網で生まれる無駄をなくすことができます。
流れとしては下記のようになります。
・スマートメーター(リンク)から各消費者(家庭、工場、オフィスビルなど)の電力需要のデータを取得し、一瞬でスマートグリッドに送信する。
・スマートグリッドがそのデータに基づき必要な電力を供給する。
このように1秒や1分単位で消費者の需要を把握し、電力を供給するため、従来のような無駄を省くことが可能になります。
例えば、工場とオフィスが各々30kw・50Kw電力を消費していたとします。スマートメーターがスマートグリッドに対して、工場とオフィスで合計80kwが必要であるという情報を提供します。それに応じて、スマートグリッドが電力を提供します。
ですが、これだけ聞いてもスマートグリッドになることで、消費者のみなさんにどのようなメリットがあるのかわかりませんよね。次回は、スマートグリッドによる消費者メリットに関して書きたいと思います。