世界最大の砂漠、サハラ砂漠
サハラ砂漠はアフリカ大陸北部にある砂漠で、東西5600km、南北1700kmにわたり、面積は約1000万㎢で、アフリカ大陸の三分の一近くを占めます。この世界最大の砂漠であるサハラ砂漠で、21世紀最大の課題であるエネルギー問題の解決に向け、JSTとJICAの「地球規模課題対応国際共同研究事業」による、日本とアルジェリアの大学の共同プロジェクトとして「サハラソーラーブリーダー計画」というものがあります。危機的なエネルギー問題の救世主になり得る、この「サハラソーラーブリーダー計画」を今回は紹介したいと思います。
サハラソーラーブリーダー計画の概要
目的
化石燃料の爆発的消費に伴い、地球上ではエネルギーレベルの乱れが散見できますが、その中で生活レベルの低下を伴わず、対策の遅れが致命的になる前に、太陽光発電と超伝導送電を基本とする自然エネルギー体系に回帰させる先端技術の開発を目指すものです。またサハラを基点とするグローバルクリーンエネルギースーパーハイウェイ構築のイニシアチブを取ることも目的です。
計画案
初期計画として挙げられるものが以下の5つです。
- サハラをはじめとする不毛の砂漠資源であったシリカを原料とするソーラーシリコンの直接的あるいは間接的還元によるプロトタイプ技術開発と、低コスト増殖的生産のテストプラント作成
- 砂漠における各種太陽電池の性能のデータ測定とそれによるソーラーブリーダー用太陽電池の洗濯
- 海水淡水化や、砂漠の緑化などの砂漠地帯の太陽電池活用法の検証
- エネルギーの長距離・低損失輸送手段としての高温超伝導ケーブルシステム運用に関する問題点の摘出
- アフリカのエネルギー工学教育拠点の形成
サハラソーラーブリーダー計画の今後
基礎研究段階から始まっている「サハラソーラーブリーダー計画」ですが、2050年には人類の使うエネルギーの50%を太陽光により変換した電気エネルギーで賄うという大きな目標があります。この計画を太陽神「アポロン」、またNASAによる月への有人宇宙飛行計画「元祖アポロ計画」から「スーパーアポロ計画」とも言います。
太陽神アポロンの恩恵を利用し、元祖アポロ計画を超えた人類生存のための計画であることを意味していますが、果たしてサハラ砂漠は私たちを救えるのでしょうか。