次世代のエネルギー利用システム、トリジェネレーション
コジェネレーションとの違い
以前紹介したように、コジェネレーションとは電気と熱の二つの要素を利用するエネルギーの効率的な運用システムを指します。
エネルギーの総合効率は70~80%です。
トリジェネレーションとは、コジェネレーションを利用した際に発生する二酸化炭素(CO2)を有効活用するシステムのことです。
エネルギーの総合効率は約90%まで上がります。
言葉の由来
トリジェネレーションという言葉は、電気+熱+二酸化炭素の’3つ’を意味する造語となります。
このトリジェネレーションには農業用トリジェネレーションと工業用トリジェネレーションの2種類があります。
2種類のトリジェネレーション
工場用トリジェネレーション
工場用トリジェネレーションは、工場から排出されるアルカリ排水をコジェネレーションの排気に含まれるCO2を利用して中和しようというものです。
既に繊維工場で行われたフィールドテストでは以前中和剤として用いていた硫酸の消費を大幅に抑えることに成功しています。
しかしあまり一般的ではありません。
農業用トリジェネレーション
一方、農業用トリジェネレーションは現在世界的に利用が広まっています。
排気に含まれるCO2を作物の育成促進に利用するものです。CO2は作物の光合成に利用されます。
実際、二酸化炭素濃度を通常より2~3倍高くすることで収穫が20~40%増えることが研究機関による実証実験で認められているのです。
この農業用トリジェネレーションは温室栽培が盛んなオランダやデンマークで先導的に研究されています。
本来、地球温暖化の原因とされ削減が求められている二酸化炭素。逆に有効活用出来れば環境にもとても優しいですね。
以上、次世代のエネルギー社会を予感させてくれるトリジェネレーションの紹介でした。
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