住宅内のすべてのエネルギーを電気でまかない、ガス、石油、石炭、炭火といった電気以外のエネルギーをいっさい使わない住宅のことをオール電化住宅と呼びます。
いまから数十年前、近代化を目指す日本では電化製品という言葉がよく使われました。家庭内で手作業で行われていた炊事や洗濯といった家事仕事を、機械で代行させるために開発された電気製品を指す言葉でしたが、オール電化住宅は、言い換えれば家庭内の完全電化製品化となります。
オール電化住宅は、従来型の電気・ガス併用住宅と比べて、火を使わないぶん、クリーンで安全、清潔という、高品質な暮らしが実現できることが最大の魅力です。とくにオール電化の中心となるのが、エコキュートと呼ばれる深夜電力契約を利用する電気給湯システムと、IHクッキングヒータ(電磁調理器)です。
さらに、高齢化、核家族化か進むわが国では、以下のような機能もオール電化住宅には期待されています。
①人に優しい電気設備:明るい照明器具、センサー制御で自動化された機器
②セキュリティ対策:防犯、火災、家庭内事故などの非常時通報システムの高性能化
③高齢者に優しい電気設備:介護システム、ホームエレベータ、階段昇降機などの導入
④保守性と高信頼性の実現:システム化することで設備の保守管理を容易にし、さらに接地配線の施設で電気を安心して使い続けられるように配慮
最近では、太陽光発電システムの普及とあいまって、2009年4月時点、東京電力サービス区域だけでじつに60万戸を超える住宅がオール電化住宅とのデータもあり、リフォーム時の採用など今後ますます普及が進むと期待されています。