2011年の東日本大震災、福島原発事故により計画停電が実施され東京では電力不足が現実的な問題となりました。
その時、六本木ヒルズは停電しないビルとして注目されていました。
六本木ヒルズには大規模な自家発電設備が備わっているのです。
今回はオフィスビルの自家発電がどのように行われているのか見ていきましょう。
一般的な自家発電システム
ハイグレードなオフィスビルの大半には自家発電設備が整っています。
オフィスビルが停電すると電気が消え、電源がすべて失われてしまいます。
パソコンや電話の使用ができなくなるのはもちろんのこと、エレベーターが止まり、真っ暗になってしまいます。
ハイグレードなオフィスビルは高層設計になっていることが多いのでエレベーターがストップしてしまうと避難も大変困難になります。
そこで、自家発電設備を使って最低限の電源の確保を行います。軽油による発電が一般的です。
また、発電された電気は普段東電から電気を買って配電している配電設備を使って電気を配分します。
基本的に一時的に電気を確保して滞在者の安全を確保することが目的なので使用用途は制限されており、供給時間も制限があります。
新たな自家発電の形
六本木ヒルズを運営する森ビルを中心に新たな自家発電の模索が行われています。
一時的な安全確保にとどまらず、その後も継続して安定した発電を行おうとするものです。
従来の自家発電ではカバーできていなかったコンセントの電源や非常灯以外の照明なども自家発電でまかなうことができるようになります。
また、電気が止まっていてもガスの供給が行われていることがあります。
この場合には、軽油による発電よりも都市ガスを使った発電の方が、効率が良く、制限がないので、ガスを使って発電することができます。
このシステムにより8割以上の電源を普段と同じように使用することが可能となるのです。
災害時の帰宅困難者の受け入れなどオフィスとしてだけでなく、非常時の使用が予想されるハイグレードなオフィスビル。
都心の災害拠点として機能するようになれば、災害時の混乱は軽減されるかもしれません。
参照元:http://www.mori.co.jp/company/press/release/2011/07/20110728110000002246.html