みなさんはエアコンの清掃をしていますか?
基本的なエアコン掃除は外側のカバーを取り外して、すぐに出てくるフィルターに溜まったホコリ等の細かいゴミを除去して掃除します。
これは2週間に1回が目安で、放置しておくとエアコンの効きが悪くなるどころか、エアコン内部に溜まったホコリ等が室内に充満しアルレギー症状等の健康被害の原因です。さらにフィルター掃除をやらないでいると、エアコン内部では温かい湿った空気が入るため、カビが繁殖しやすい環境です。
エアコン内部のカビ除去は大変で、細かい部品を取り外す必要があるためエアコン内部の構造がわからないと作業する事が難しいと言えます。変に細かい部品を取り外すと破損させる原因になるため、修理代が高額になるか最悪新品に取り換えと言う事になります。
とは言っても、エアコン掃除を自分でやるか?
それとも「おそうじ本舗」や「ダスキン」のような専門業者にお金を払ってエアコン掃除を依頼するか?迷う所。今回はエアコン清掃について、自分で掃除するのと、業者清掃を依頼する場合を比較してみました。
自分でやる場合のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
◆費用が安い
◆いつでも手軽にできる |
◆手間がかかる
◆完璧に出来ない事が多い |
メリット 〜費用がかからない〜
とにかく費用が安い事です。
単純にエアコンのカバーを取り外してフィルター掃除だけならば、掃除機を稼働させる電気代、水洗いする場合も水道代や洗剤代程度なので1回あたりにすれば割安です。
洗剤と言っても一般的な洗濯洗剤でも十分汚れを除去する事が可能です。頑固な汚れであれば、ホームセンター等にエアコン掃除専用のスプレーや洗剤や掃除道具も販売されており3,000円もあれば十分用意出来ます。
デメリット 〜完全に清掃できない〜
単純にエアコンフィルターだけの掃除ならば大した手間はかかりませんが、実はエアコンは掃除するべき場所が多い事も特徴。
◆冷却ファン(回転する筒状のもので、空気を送り出すための羽根に切込みが入ったもの)
◆ルーバー(風向きを左右に調整する羽根)
◆ドレンパン(エアコン内部に水滴が出来た時に、室外に水滴を出すための溝)
◆室外機(屋外に設置。室内の暑い空気を追い出す役目)
・・・も対象になってきます。特に冷却ファンについてはエアコンの構造がわかる人でないと取り外し自体困難な事が多く、その際にはドライバー等の工具も必要になります。
掃除する部分によっては大掛かりな作業になる事もあるため、掃除するべき部分の全てを掃除する事が出来ず、結果として一部が汚れたままエアコンを使いづける事になります。
室外機は基本的にメンテナンスフリー(掃除不要)ですが、ここから異音がする、室外機の中や裏側のフィン(網状になっている部分)にゴミやホコリが溜まっている場合は掃除が必要です。
いずれにせよ、エアコンの内部構造に対する知識と技術がないと、本格的なエアコン掃除は困難です。素人が出来るエアコン掃除は限定的な場所しか出来ません。
業者に任せた場合のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
◆素人では掃除が難しいエアコンの細かい所まで丁寧に掃除してもらえる
◆業者任せなので依頼者自らがエアコン内部の構造を知らなくても、完璧にきれいにしてもらえる ◆付属サービスで、カビ発生防止や抗菌処理をしてもらえる事がある |
◆費用が1~2万円程度かかる
◆作業時間が1~3時間程度かかる ◆業者・プラン等により掃除内容が異なる |
メリット 〜カビや菌の除去など徹底洗浄〜
素人では掃除する事が困難な場所までエアコン内部の部品を分解して徹底的に掃除してもらえます。
作業の全ては業者に任せておけばいいので、特にご自身が作業を手伝う所がありません。
ただ作業の性格上「場所」をそれなりに使うため、エアコン周辺に家財(テレビ等の電化製品、棚、机等)がある場合は事前に別の場所に移動させると、作業がスムーズに進みます。
単に掃除するだけではなくて、掃除後にカビや菌が発生しない処理もしてもらえます。これは素人では難しいので心強いものです。
デメリット 〜費用がかかる〜
当然ですが、費用は掛かります。業者、プラン等により値段は異なりますが、概ね1回あたり1~2万円程度です。掃除内容もそれによって異なってきます。詳細は後術します。
業者ごとのエアコン掃除の特徴(値段、サービス等)
そもそもどこの何という業者(会社)がエアコン掃除する事が出来るのか?
どうやって申し込むのか?
エアコンのどこを掃除するのか?
値段はいくらか?
作業時間は何分かかるか?
注意点や免責事項はあるのか?
・・・エアコン掃除を初めて業者に依頼する時にはさまざまな疑問が出てくるでしょう。
ここでは、大手3社に限定して特徴等を詳しく説明します。
①おそうじ本舗(お手伝いおそうじ宅配便)
http://www.sumitate.co.jp/service/osouji/service/aircon.html
エアコンのどこを掃除するか?特徴的なサービスは?
掃除する場所は、エアコン本体、アルミフィン、ファン、ドレンパン、外装パネル、フィルター等です。
最初に行うのはエアコンの分解。分解しないとエアコン内部の細かい所が掃除できないためで、これがポイントになると訴求しています。
分解後、高圧洗浄機を使いエアコン内部の細かい汚れを除去。分解した部品も掃除対象でここもきれいに掃除した後、組み立てて元の姿にします。
作業時間
60~90分(一般家庭に多い壁掛型エアコンの場合)
注意点・免責事項
◆機種等により掃除が出来ない場合がある
◆カバー等を洗浄するために、風呂場、庭、バルコニー等を借りる場合がある
◆作業の性格上、電気や水道やガスを借りる場合がある
◆高圧洗浄機を使用する時に、電源容量の都合でブレーカーが落ちる(停電する)可能性がある
◆エアコンの状態により、完全に汚れやニオイを除去できない場合がある
◆(免責事項)エアコン製造から7年を超過している場合、作業時に経年劣化等の理由で部品を破損させる可能性がある。それにより破損させた場合、新たな部品調達が困難なため責任は負いかねる
値段(すべて税抜き)
エアコンの用途 | 値段(税抜き) |
壁掛型1台(一般的なエアコン) | 11,436円から |
同2台以降 | 1台あたり8,565円から |
エアコンの用途 | 値段(税抜き) |
壁掛型1台(掃除機能付きエアコン) | 20,973円から |
同2台目以降 | 1台あたり17,130円から |
その他掃除項目(オプション)
◆室外機(1台6,019円から)
・・・カバー表面と裏面、アルミフィン、プロペラ、熱交換器等を掃除。作業時間は30~60分で設置場所等により掃除できない事もある。
◆カビ防止・抗菌コーティング(1台3,000円から)
・・・アルミフィン、ファンに専用のカビ防止剤や抗菌剤を吹きかける。作業時間は10分。
②ダスキン(エアコンクリーニング)
https://www.duskin.jp/servicemaster/spot/sm000010/
エアコンのどこを掃除するか?特徴的なサービスは?
ダスキン独自の高圧洗浄記述を駆使。エアコン内部の熱交換器に付着したカビやホコリや汚れを専用の機材と薬剤で徹底的に除去。作業後に洗剤がエアコン残らないように「すすぎ」もしっかりと行います。
作業の流れとしては、エアコン分解→ホコリ除去→高圧洗浄→すすぎ→拭き上げ→カビ防止と抗菌です。
エアコンは壁に設置している事が多いため、作業時に汚れが周囲に飛散する事があります。それを防止するためにダスキンでは、独自の作業用カバーを設置して汚れの飛散防止をしています。
作業時間
60~90分(一般家庭に多い壁掛型エアコンの場合)
注意点
◆メーカー、機種に関わらず作業可能
◆エアコンの状態により、完全に汚れやニオイを除去できない場合がある
◆土日祝日に作業出来ない場合がある
値段(すべて税込み)
エアコンの用途 | 値段(税込み) |
壁掛型1台(一般的なエアコン・幅120cm以下) | 12,900円から |
同2台セット | 21,600円から |
同3台目以降 | 1台あたり10,800円から |
エアコンの用途 | 値段(税込み) |
壁掛型1台(掃除機能付きエアコン) | 23,760円から |
同2台セット | 43,200円から |
同3台目以降 | 1台あたり21,600円から |
エアコンの用途 | 値段(税込み) |
掃除機能なし+フィルター自動機能掃除付き(それぞれ1台ずつ) | 32,400円から |
幅120cm以上で掃除機能なし(1台) | 16,740円から |
その他掃除項目(オプション)
◆抗菌コート(税込み2,160円から)・・・衛生的な環境を約1年間持続可能な専用の抗菌剤を熱交換器やフィルター等に吹きかける
③サニクリーン(エアコン清掃)
http://www.sanikleen.co.jp/promotion/AirconCleaning/
エアコンのどこを掃除するか?特徴的なサービスは?
家庭でも事業所でも掃除する事が出来ます。掃除の手順としては、エアコンが正常に作動する事を確認→掃除中に汚れが飛散しないようにカバー等を設置→エアコンを分解→専用洗剤でエアコン内部の汚れやカビを除去→そこに高圧洗浄機を使って洗い落とす・・・と言う手順です。
上記2社と比べると作業手順に違いがあります。
また公式ホームページを見る限りでは、カビ防止は上記2社同様にオプションのように見えますが、外装パネルについてもオプションのようで基本メニューには入っていないようです。また、エアコン内部の消臭もオプションで出来るようです。
作業時間
60分から(一般家庭に多い壁掛型エアコンの場合)
注意点
◆エアコンが動作不良、製造年式の古い機種については掃除を断る場合がある
◆エアコンの状態により、完全に汚れやニオイを除去できない場合がある
◆掃除機能付きエアコンは、機種等により掃除を断る場合がある
◆一部地域ではサービスを行っていない場合がある
値段(すべて税込み)
エアコンの用途 | 値段(税込み) |
壁掛型1台(一般的なエアコン) | 12,900円から |
同2台目以降 | 1台あたり10,800円から |
※上記値段は東京都内で作業する場合の基本的な値段。他地域で作業する場合は値段が異なるので、見積もり時に要問合せ。
業者エアコン掃除を大手3社を比較結果
大手3社を例に出してみました。実際には地域密着の会社もエアコン掃除を行っているため、その会社も比較してみると良いでしょう。
金額だけで見てしまうと、概ね3社とも横並びで大きな差は見られません。
おそうじ本舗やサニクリーンの料金設定は比較的シンプルでわかりやすいですが、ダスキンは料金設定が細かく掃除台数が増えるとやや高額です。
単にエアコン内部の汚れを除去するだけならば、基本メニューに組み込まれているため追加料金は発生しませんが(状況によっても異なる)、カビ・抗菌対策をするとオプションメニュー扱いで別途料金が発生する仕組みです。
見積もり依頼が第一歩!?
どの社もホームページ上で提示した金額は“一例”に過ぎないため、実際にはエアコンの状態・機種・年式等により金額に大きな差が生じるため、「見積もり」を依頼して欲しいと訴求しています。
筆者がホームページを見る限り、おそうじ本舗は説明が丁寧で注意点や免責事項も記述が細かくあったので、エアコン掃除を依頼した事がなくても「こんな作業をするんだな」と言うイメージがつかみやすい印象を受けました。
ダスキンはハウスクリーニングでは老舗と言う事もあってか、作業内容を中心に説明がわかりやすく顧客に対して「いろんな選択肢」を与える情報が多いに印象です。
一方で、サニクリーンは漠然とし過ぎて詳細がわかりにくいと感じました。
例えば外装パネル掃除がオプションメニューなのか?基本メニューに組み込まれているのか?不明確で、料金設定もホームページ上ではシンプルに見えますが本当にそれだけなのか?わかりません。つまりは、問い合わせ件数・見積もり件数の増加を狙って顧客を誘導しているような印象です。全体を通して「わかりやすさ」を感じない内容です。
まとめ
肝心の掃除内容は3社とも概ね同じで、作業手順が違うのは三者三様と言えます。
分解を伴うエアコン内部の汚れやカビは知識のない素人では除去が困難な事が多いため、エアコン掃除を手掛ける専門業者に手掛けた方が無難です。
金額的には前述のとおり概ね横並び(同額程度)で、作業時間も60~120分程度です。
業者への依頼頻度は2年に1度を推奨しているケースが多いです。
地方では対応できる業者に限りがあるため、そもそもの選択肢が少ない場合があります。
ただ、エアコン掃除は業者に依頼する事が全てではなく、快適に使用するには我々使用者自らが定期的なフィルター等出来る範囲の掃除を行うようにしましょう。