前の記事では数学、化学など幅広い研究者としてのアンペールを紹介しました。
今回はアンペールが自分の名前を不屈のものにした研究を中心に彼の残りの人生を紹介します。
アンペール~研究者らしくない研究者~
最大の功績
これまでは数学、化学など幅広い研究でも常に一定の評価を得てきたアンペールですが、歴史上に名前を残すだけの功績はあげられずにいました。
そんなアンペールを不朽な存在にしたのは、1820年に始めた電磁気の研究です。
この年に電流の磁気作用という現象が発見され、同年の9月にアンペールはその発見を知り、直ちに研究を開始しました。
その研究の中でも、電力間に働く力の法則は特に重要な発見でした。
アンペールの法則
定常電流がつくる磁場の方向と大きさを決める法則です。
線状電流の場合、電流の方向と右回りのねじの進行方向を一致させるとき、ねじの回る方向と磁場の方向が一致しする。
これをアンペールの右ねじの法則といい、電流と磁場との方向の関係を示します。
研究者らしくないアンペール
上記の発見によりアンペールの名前はかなり有名になりました。
エッフェル塔にはフランスの科学に貢献した、選ばれし72人の科学者の名前が刻まれていますが、もちろんアンペールもそのうちの一人です。
また電流の強さを表す単位にもアンペールから取ったアンペアが採用されました。
アンペールはもちろん非常に優秀な研究者でしたが、研究者っぽくない面があります。
一般的には研究者とはなにか1つのことに長い時間と労力を費やして研究をするものだという認識です。
アンペールは電磁気の研究が一段落すると哲学の研究を始めたことからも分かるようにどこか一か所に興味・関心をとどめるのが苦手なタイプでした。
アンペール自身を有名にした電気の研究はあくまでも彼の興味でしかなかったのかもしれません。