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近頃インターネットやニュースなどで報道される「IoT」という言葉ですが、いったい何のことなのでしょうか。辞書で調べても、「モノのインターネット」という説明で、なんだかよくわかりませんね。
そもそも電化製品だけではなく、人や家具などもインターネットにつながるというのは、想像しがたいものがあります。
シャープではすでに、IoTを搭載したオーブンレンジ「ヘルシオ」やプラズマクラスターエアコンなどを投入していますが、新たにIoT冷蔵庫「SJ-TF49C-B」を発表しています。
参照:www.takumi-inv.com/
IoTってどういうもの?
Iotとは英語の「Internet of Things」の略で「イオット」もしくは「アイオット」などと呼ばれています。
IoTは、「電化製品などもメンバーに入ったSNS」と考えるとわかりやすいと思います。その中でも、LINEグループやMixiのコミュニティ機能が似たものといえるでしょう。
もちろんこのメンバーの中には人間の他に、電化製品などもいるわけです。
SNSということは、電化製品などもおしゃべりできなければいけません。これは電化製品側にも小さなコンピュータを内蔵しておき、何らかの条件が発生した都度メッセージを出せば実現できますね。
逆に、人間が電化製品に対してメッセージを出せば、受け取ったメッセージに対応した動作をするわけです。
同じようにRFIDタグ等を取り付けることによって、電化製品でなくても会話に加わることができます。もっとも、たんすの引き出しを開けるというような命令は出せませんが、たんすの中が乾いているのかどうか等の状況は提供できるのではないでしょうか。
また、形状によってはタグでなくてもかまいません。例えば首輪ということも考えられるでしょう。これを犬や猫のペットにつければ、「今、何をしているか」がわかりますね。
すでに使われているIot!?
実は、すでにIoTが使われているところがあります。いくつか事例を紹介しましょう。
1.ロボット掃除機
アイロボット社が提供するルンバ900シリーズでは、外出先からでもお手持ちのスマートフォンで掃除の指示を出し、ルンバからは掃除の進行状況が報告される仕組みが導入されています。
依頼者は家の見取り図を見ながら、いつでも掃除が終わった箇所をチェックできますので便利ですね。もちろん掃除が終われば完了報告が届きます。
このような事例は、IoTを使った典型的な例といえるでしょう。
2.高齢者の見守りサービス
セントラル警備保障や東急セキュリティ等、いくつかの警備会社では「高齢者の見守りサービス」を提供しています。
この中には、室内や玄関に設置したセンサーで24時間人の動きを検知し、一定時間動きがないと自動的に警備会社に通報され警備員が出動するサービスがあります。
これもIoTを利用した例といえるでしょう。家族が離れたところに住んでいても、安心です。
3.東急グループ・イッツコム「インテリジェントホーム」
物に話しかけるだけで、望む操作をしてくれるのは近未来の話と思う方も多いと思いますが、実はすでに実用化されています。
東急グループのイッツコムは、Google Homeを使った「インテリジェントホーム」サービスを展開していますが、この10月6日から家電コントローラーとGoogle Homeがセットになった「スマートコントローラー」を発売します。
自宅ではGoogle Homeのスピーカーに話しかけて、屋外ではスマートフォンアプリを使って家電を操作することができる、まさに近未来の夢といわれたことをIoTを使って実現した事例といえるでしょう。
IoTが進むとどうなる?
IoTが進むと、現在の生活とはかなり変わった未来になるようです。どういう生活になるのか、のぞいてみましょう。
1.物どうしが会話する未来
IoTが進むと、電化製品や家具、車なども人とともに、インターネットに加わることになります。
これにより、例えば「温度センサーが29℃に達したので、エアコンの運転を開始。またネットワーク上に情報を送信し、人や他の機器は必要に応じてこの情報を利用する」などということが可能となります。
また業務用の例でも、例えば自動販売機などは「大きな地震の揺れがあったため、自動的に無料で飲料を供給するように変更。ネットワーク上に情報を送信し、自動販売機の企業はもちろん、地域住民や自治体等も随時情報を活用する」ということもできるかもしれません。
2.さまざまな分野で自動化が進みます
例えば、冷蔵庫の中の食品が無くなったら、いちいち人間がチェックしなくても勝手に発注するシステムができるかもしれません。配達の人が来て初めて「あら、しょうゆが無い」などということに気づくかもしれませんね。
また通院の際に目的地を入力すると、徒歩で移動できない距離の場合は自動的に車が来て、料金はクレジットカード払いというようなことも未来予想図の一つに上がっています。もちろん車は自動運転です。
このようにIoTが進むと、さまざまな分野で自動化が進むことになります。
3.人間にとっては、おせっかいなことが増えるかも
IoTは便利に見えますが、良いことばかりではありません。人間もネットワークの一部になりますから、「人は物を支配する」「意思決定には必ず人が関わる」という考え方があてはまらなくなります。このため、以下のようなことも実現することになるでしょう。
例えばダイエット中の人が高カロリーのスイーツを食べようとすると、「あなたはダイエット中ですよ。目標通り減量できなくてもいいのですか?」と言われるかもしれません。美味しくなくなりますね。
また毎日の運動メニューが決まっている人の場合、今日は気分が乗らないから1日くらい・・・と思っていても、「今日の運動メニューがすべて完了していません。○○はしなくていいですか?」と言われてしまうこともあります。思わず、「うるさい!」などと叫ぶ人もいるかもしれませんね。
この点は、身近なところでIoTが普及した際に現れる負の側面の一つかもしれません。
IoTを活用するために必要なもの
せっかくのIoTですが、自宅にインターネット回線がなくては利用することはできません。特にIoT機器では無線通信が中心となりますから、無線LAN(Wi-Fi)機器を用意しておく必要があります。
Wi-Fi機器への接続作業が行える状態であれば、外部から自宅へのインターネット回線は有線・無線を問いません。有線である光回線が一般的ですが、携帯電話会社によるデータ専用端末も選択肢に入るでしょう。有線の回線は料金が定額、無線の回線は設定が手軽でわずらわしい配線が不要という、それぞれのメリットがあります。
まとめ~IoTは生活を大きく変える可能性があります。今から心構えを~
すでに始まっているIoTは、私たちの生活を大きく変える可能性があるものです。中でも自動化等により「意思決定には必ず人が関わる」という考え方があてはまらなくなるのは、大きなポイントといえるでしょう。
何もしなくても便利に生活できる点で、楽な時代になるでしょう。その利点は十分に享受したいものです。
しかし、自分から何のアクションも起こさないと機械に支配されてしまうこともあります。IoTの時代では、今以上に「自分は何をしたいのか?」ということを考え、主体的に行動することが求められるといえるでしょう。