電力事業に参入された経緯は?
安定電源の少ない奈良県での「地産地消」を実現させる
電力システム改革の目的として挙げられている「電力の安定供給」「電気料金の抑制」「需要家の選択、事業機会の拡大」の中で、最も重要視しなくてはいけないと思っているのが、「安定供給」だ。山本商事が昭和46年の創業以来、共に成長させてもらっている奈良県は安定電源が少ないため、エネルギーの外部依存が非常に高い。山本社長は、「2011年の東日本大地震がきっかけで、エネルギーについてより深く考えるようになった。」と言う。西日本でも南海トラフ巨大地震が起こるとされている。災害への備えという観点からも地域のエネルギー会社は重要。我々がエネルギーの自給自足、奈良県内での「地産地消」を行い地域への貢献ができないかと考えたのが「奈良電力」設立の経緯だ。
山本商事グループ全体で奈良県に貢献する
奈良電力の母体である山本商事で行っている新エネルギー事業では、バイオマス発電の燃料になるRPFの製造も行っており全国シェアトップ。グループ全体の使用電力の2倍を発電することを目標に、近畿圏内15か所で合計13MWのメガソーラー発電所を計画、大半が完成済み。
一般的にリサイクル事業と言っても、資源を再利用、再生する一方で膨大な電力消費に伴う二酸化炭素排出が付いて回る。それを発電で補うことが出来れば本当の意味で地球環境保全になるのではと考えた。将来的には、バイオマスの発電所や水力・風力の発電所も建設する計画があり、官民一体で進めていきたいと考えている。グループ全体で奈良県に還元していきたい。
電力小売りを実施する地域は?
奈良県から近畿圏全域へ
まずは奈良県全域を対象に供給・販売を行う。高圧・低圧含め、奈良県内の需要家に対して電力提供していく予定だ。価格面はもちろん、奈良県内での地産地消による地域活性化に貢献することを第一の目標に取り組んでいきたい。
関西圏の電力料金は全国的に見てもトップクラスで高い
度々の値上げで、関西電力管内の電気料金は全国でもトップレベルの高さだ。その点を考慮し、将来的には奈良県を含む、近畿圏への電気提供も視野に入れている。当面は、奈良県内での地産地消や地域貢献を目指して、県内への供給をメインに行うが、奈良県発の電力を広めていき、近畿圏全体へ地域貢献をしていきたい。