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大手電力会社の動向まとめ[一般電気事業者編]

長年日本のインフラを支えてきた一般電気事業者は2016年4月より通信・ガス・地域電力会社など多数の業界大手の会社と顧客争いを強いられることになります。

しかし、一般電気事業者にとっては既存顧客の流出のピンチであるだけでなく、新規顧客獲得のチャンスでもあります。

そのため、一般電気事業者である、東京電力・関西電力などは今まででは考えられなかったような多様な企業と提携を結び、様々な販売戦略を着々と準備しています。

一般電気事業者の現状と電力自由化に向けた動向についてまとめてみます。

 

一番高いのは北海道電力、最安は北陸電力

消費者調査では電力会社の乗り換えを考える際に重要視する部分として46%が「料金」と答えており、一般電気事業者各社は割引要素を押し出すため、携帯電話を持つ通信会社などとの提携を進めています。
一般家庭の電力会社乗り換えに関する意識調査

現状、一般家庭の消費者が契約する電力会社を選ぶことはできませんが、同じような契約メニューでも電気料金の単価や基本料金は全国一律にはなっていません。

下の表にあるように一般電気事業者間でも最も大きな差で1506円の差が発生しています。

1位 北海道電力 8148円
2位 沖縄電力 7896円
3位 東京電力 7838円
4位 東北電力 7637円
5位 関西電力 7441円
6位 中国電力 7308円
7位 四国電力 7054円
8位 九州電力 7004円
9位 中部電力 6853円
10位 北陸電力 6642円

とはいえ、最も顧客争いが激しくなると予想されている関西と東京の電力提供を担っている関西電力と東京電力の間には大きな料金差はないため料金のみでは大きな優劣はついていません。

電力自由化後には越境販売(担当地域外への販売)による顧客の移動が発生すると考えられますが、各一般電気事業者はどのような戦法をよるのでしょうか。

 

東京電力について

東京電力は2014年度の売上高は一般電気事業者の中で最も高い68,024億円です。その差は沖縄電力の売上高の36倍となっており高い資金力を持っています。
【ランキング】電力会社の売上高

異業種大手の前衛的な提携

どの電力会社よりも先行して異業種との取組を進めているのが東京電力の現状であり、「他社乗換」は東京電力にとって致命傷となりかねないため、どこより先行して動いていると言えるでしょう。

現在の主な提携先は以下のように業界大手企業と提携しています。
・USEN<詳細>
・ソフトバンク<詳細>
・ニチガス<詳細>
・JXエネルギー<詳細>
・CCC(Tポイント)<詳細>

すでに行っている越境販売

越境販売も行っており、関西圏のセブンイレブン1,000店に電力提供を行っています。
越境販売 東京電力が関西圏のセブンイレブン1,000店に

電力みえる化サービス

自社の電力見える化サービスとして「でんき家計簿」というサービスを提供しています。11月には契約している一般家庭へのDMも配布されたようです。

 

関西電力について

東京電力に次ぐ2位の売上高を誇る関西電力。
【ランキング】電力会社の売上高

謎に包まれた多くの提携

提携に関してはざまざまな情報が飛び交っているものの公式的には未発表のものが多いです。KDDIなどの大手異業種企業とも提携の交渉を進めています。<詳細>

すでに行っている越境販売

関西電力も越境販売を目的とし首都圏に大型石炭火力発電所を建設する計画を発表しています。

電力みえる化サービス

関西電力も「はぴeみる電」という電力みえる化サービスを所持しています。会員登録をすることで自動的に紙の検針票が廃止され電子メールで届くようになっている。無料通信アプリLINEによる料金通知なども実装している。

 

まとめ

現在、一般電気事業者の電気販売価格は経済産業省・資源エネルギー庁によって規制されています。これは、独占市場で強引な価格のつり上げを行わないようにするための措置であり、新電力が自由に価格設定をする中、一般電気事業者は2020年まで引き続き規制の対象となります。

そのような環境下での一般電気事業者の提携・新サービスなどに期待していきましょう。

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