電力比較・切り替えサイト:energy-navi

実はトイレ・洗面所にも発電装置が!!外部電源いらずで災害にも強い!トイレ発電とは?


駅や空港等の交通ターミナル等に設置されている、最新のトイレや洗面所には発電装置が設置されているってものご存知でしたか?

東日本大震災以降、環境に優しい発電方法や製品がいっそうクローズアップされることとなりました。

一般的に水力発電は環境に優しい発電方法と言われていますが、実はトイレや洗面所等で使われる製品には、水力発電の装置が内蔵されているものがあることをご存知でしょうか。

単に環境に優しい製品であるだけでなく、実用的なメリットもあるのです。

どのような特徴がある製品なのでしょうか。これから詳しく見ていきましょう。

トイレ発電装置は2種類ある!

トイレの機器に搭載されている発電装置は、その機器や目的別に、水力発電とボタンを押して発電という2種類のタイプがあります。

1.水力発電による装置

洗浄用の水が流れる手洗い器や大便器・小便器は、水が流れる力を使って水力発電を行います。

機器内部に水が通る管が設けられており、この中に小さい水車があります。

普段は水が流れていませんので水車は止まっています。

しかし機器のセンサーが感知することにより電磁弁が開き、洗浄用の水が機器を通過する際に水車を回します。

この際に発生する電気を充電池に蓄えます。

充電池の電池は、センサー感知と電磁弁の開閉のために使われます。

例えば手洗い器の場合は、自動水栓を操作するために使われる訳です。

2.ボタンを押して発電する装置

ウォシュレットのリモコンに採用されている機種があります。ボタンを押すと発電し、その電力でリモコンが作動します。

このため、外部電源や電池は不要となります。

発電装置があることによるメリットは!?

 

電源が不要なことが最大のメリットです。

このため、水の供給と排水ができれば災害などの停電時でも使用することができます。

他にも、以下のようなメリットがあります。

手洗い器や大便器・小便器の場合は洗浄用の水の流れを使って発電しますから、設置にあたっては上下水道管があれば良く、100V等の外部電源は必要ありません。

これにより設置場所を検討する際に電源の位置を気にする必要が無いなど、設置場所の自由度が増します。

またコンセントが不要なため、プラグに水がかかる等によるショートや漏電のおそれがありません。

ウォシュレットのリモコンについてはボタンを押して発電するタイプですので、リモコンの電池を定期的に交換する手間が省けます。

また、電池切れを気にせずにトイレを使っていただけるという安心感を提供できるメリットもあります。

設置が向いている箇所

機器内部に内蔵されている電池は、充電池です。

従って充電頻度が少ないと自然放電してしまいます。

製品によっては、充電するために1日当たりおよそ30回以上の使用が必要なものもあります。

このため、多くの人が使用するオフィスや公共施設、商業施設、駅や空港等の交通ターミナル等への設置に向いています。

もっとも最新の製品ではバックアップ電池を内蔵しているものがありますので、使用回数が少なくても数年使うことはできます。

しかし、より頻度高く使われた方が充電も頻繁に行われますので、製品にとって良いことに変わりはありません。

採用されている製品

以下のような機器に発電装置が採用されています。

1.手洗い器

水力発電の装置が採用されます。装置は自動水栓の中に内蔵されているタイプと、手洗い器の下に箱型の装置が取り付けられているタイプがあります。動作はどちらも変わりません。

2.大便器

こちらも水力発電の装置が採用されます。通常、発電装置はセンサーを備えた機器内部に格納されています。

3.小便器

こちらも水力発電の装置が採用されます。通常、発電装置は本体に格納されています。

4.ウォシュレットリモコンのボタン

ボタンを押して発電する装置が採用され、ウォシュレット本体とセットで使われます。

家庭での利用はできるか?

毎日いつもの通り使っているだけで、電気代の節約にも環境にも貢献できる水回りの発電装置。ぜひ使ってみたい!と思った方も多いのではないでしょうか。

ところが、この製品はほとんど業務用なのです。なぜでしょうか。

「設置に向いている箇所」で解説した通り、この製品は水を流す時に発電し、充電池に電気を貯めます。

充電池は自然放電しますから、水を流す頻度が少ないと充電池に十分な充電ができません。

そのため、使用頻度の多い業務用とされています。

そのような中、TOTOでは家庭向けに発電タイプの浄水器専用自在水栓TEK300を製品化しています。

すっきりとした形ながら、メタルボディが存在感を示します。

家庭用品品質表示法に定められた13の物質も取り除け、健康増進と環境保護の一石二鳥です。

関心のある方は、ご検討されてはいかがでしょうか。

その他の手洗い器や便器等は業務用となりますが、それでも取り付けたいという場合はメーカーや販売店にご相談下さい。

発電装置付きという製品の性格上、家族の多いご家庭に向いているでしょう。

また、最低使用回数の定めがない製品を選ぶことも大切です。

さらなる可能性についての研究結果~トイレの発電で照明を点灯~

2015年6月2日に発表されたLIXILによるプレスリリースでは、東北大学との共同研究において「水洗トイレ便器へ給水する際の水流を活用して発電し、トイレ内の照明エネルギーを賄うゼロエネルギートイレ照明システムを開発」し、実際にトイレ内の照明を点灯させることに成功したとされています。こういった自家発電の枠が広がってくれば、節電になることはもちろん、何かあった時の「安心」にも繋がってきますね。

まとめ~トイレや洗面所にある様々な発電装置と可能性~

ここまでで見てきたように、トイレのさまざまな機器に向けた発電装置が実用化されています。

その多くは水力発電で、機器のつくりが複雑になる以外のデメリットは見当たりません。

何と言っても電源が不要なことは大きなメリットです。

また、機器自身の動作に必要な電気を自ら作ることができることは環境に優しい機器ともいえるでしょう。

その点では、ウォシュレットリモコンのボタンは押すだけで発電できるわけで、画期的です。

利用者である私達はその機器内部を見ることはありません。

しかし、普段何気なく利用している機器でも環境に配慮していることを知ることで、環境問題やエネルギーといったことを少し身近に感じられるのではないでしょうか。

将来は、トイレで発電した電気を照明の点灯に使う施設も増えてくるかもしれません。

今後の研究や技術の向上にも期待したいところです。



TOTO ウォシュレットPS
TOTO×グリーンハウス「「アクアオート・エコ(自動水栓)」開発のストーリー」
TOTO「ウォシュレットPS・エコリモコン・擬音装置「音姫」内蔵」
TOTO住宅&パブリックカタログ2016
ITmedia「トイレもゼロ・エネルギーに、水流で発電してLED照明に電力を供給」:
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1506/03/news032.html
LIXIL「東北大学との産学共同による研究 災害時にも快適に使用できる「ゼロ・エネルギー・トイレ」開発の一環として 水洗便器への給水で発電した電力により照明電源を賄うことに成功」:
http://newsrelease.lixil.co.jp/news/2015/070_company_0602_01.html
LIXIL「ハイバックガード洗面器」
LIXIL「センサー一体形ストール小便器」