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東急電鉄で有名な東急グループが東京電力より安い電力を供給しているということをご存知ですか?
電力自由化により誕生した東急グループの電気事業者である東急パワーサプライは、「東急でんき」というサービス名で事業展開を行っています。2016年12月現在、8万件を超える契約数があります。
東急といえば、沿線のブランドイメージの高さが特徴的ですね。それゆえに「東京や神奈川の人しか契約できないのでは?」とお考えの人も少なくないと思います。
実際はどうなのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
「東急沿線」以外でも契約可能!?
東急パワーサプライの契約可能エリアは、東京電力の供給エリアと同一です(但し離島は除きます)。
このエリアは東急線が運行されている東京23区西部や横浜市、川崎市、相互直通区間である東京23区東部や埼玉県だけではなく、関東一円と山梨県、富士川以東の静岡県も含みます。例えば、東急線の車両が全く乗り入れていない千葉県でも契約できることになります。
【引用元】
電源構成は?
平成28年4月1日~平成29年3月31日の電源構成は、以下のようになっています。 ・水力10%、LNG/LPG31%、石炭28%、石油6%、卸売取引所16%、その他9% 自然エネルギーを積極的に活用するという特徴は無いようです。
料金形態と支払い方法
東京電力よりも若干安め、かつシンプルです。
2017年2月現在、家庭用の電力量料金は東京電力の従量電灯Bに相当する1種類のみの料金体系となっています。
これに基本料金が加算されますが、これも30A・40A・50A・60Aの4種類のみとなっています。
電力量料金は従量電灯Bと同じく、120kWhまでと120Kwh~300kWh、300kWh超の3段階に分かれています。
もっとも一般的な「東京電力の従量電灯Bプラン」と比べて、300kWhまでの料金は1kWh0.11~0.12円安い程度ですが、300kWhを超えると1kWh当たり1.59円安くなります。電気を多く使う場合に有利な料金体系となっています。
基本料金は東京電力よりも30A、40Aは54円、50Aは108円、60Aは162円安くなっています。30A、40Aの価格差は、東京電力の口座振替割引(税込54円)と同額です。燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は東京電力の場合と同額です。
【引用元】
支払い方法
なお、料金の支払い方法はクレジットカード、または口座振替(毎月27日に引き落とし)となっています。
東急でんきは口座振替割引がありません。しかしTOKYU CARDで支払うと、電気料金に対して1%のポイントがたまります。
また基本料金がその分、またはそれ以上安くなっています。従って、従来の従量電灯Bのご契約の場合は東急パワーサプライに切り替えた方がお得になるでしょう。
東急沿線の方は必見の特典!!
東急パワーサプライの電気を利用すると、電気料金が安いだけではなく、以下の特典もついてきます。
TOKYU CARDで支払うと、電気料金に対して1%のポイントが貯まります。
東急沿線のケーブルテレビ「イッツコム・ケーブルテレビ品川」の料金が毎月最大350円割引となります。
東急のPASMOで「電車とバスでたまるTOKYU POINT」の付与率が2倍となります。TOKYU POINT CARDでも対象ですので、クレジットカードを持っていない方でも安心してたくさんポイントが貯められます。
変わった特典としては、契約時にプレゼントされる東急グループの駅そば「しぶそば」で使える2杯分の無料チケットがあります。
これは2月14日から3月31日までの期間限定で行われている「東急でんき お引越しキャンペーン」の一環で、6月30日までに供給開始された方が対象となります。
どれぐらい安くなるの??
それでは電気代と割引特典を合わせると、どれぐらいお得になるのでしょうか?
一戸建て4人家族をモデルケースにしてみた場合(現在の電気料金は12,000円/月、東京電力、従量電灯B・40アンペアで契約)
【引用元】
東急でんきが年間12,336円お得になります。
電気代:年間3516円 割引
特典 :年間8812円 割引
ただ、特典の多くが東急沿線に在住していないと活用仕切れないため、正確には「東急沿線に在住しているなら東急でんきが年間12336円お得!!」です。
東急でんきの注意点!!
大切な電気の契約ですから、安易な契約をして後悔することは避けたいものです。そのためには、いくつか注意しておきたいことがあります。しっかり確認していきましょう。
契約アンペアは30A以上
東急パワーサプライでは、契約アンペアの下限は30Aとなっています。
現在これ以下のアンペア数で契約している場合は、予め契約アンペア数を30A(以上)に上げた後、契約手続きを行うこととなります。
アンペア数の変更は年1回しかできない
家電機器の増設や、逆に料金見直しの都合上、アンペア数を変更する必要が出てくる場合があります。
しかし東急パワーサプライでは、アンペア数の変更は年1回しかできません。
従って夏季と冬季でアンペア数を変更することができないのはもちろん、家電機器を増設する都度アンペア数を変更することもできなくなります。
特に料金見直しの場合は注意が必要で、安くしたいからアンペア数を下げた後にやっぱり足りない…となっても、すぐ元へ戻すことはできませんので注意が必要です。
なお、本項目は東京電力の場合も基本的には同様の扱いとなっています。
太陽光発電の買い取りは不可
東急パワーサプライでは、太陽光発電の買い取りは行っていません。そのため、太陽光発電での発電量が自宅での使用量を上回っていたとしても、東急パワーサプライに電気を売って収入を得ることはできません。
東急でんきと契約できない場合がある!?
ここまでで記した通り、東急パワーサプライの料金体系はシンプルなものです。
それに対し、東京電力ではさまざまな料金体系が用意されていますが、従量電灯以外のプランについては東急パワーサプライで契約できない場合があります。
この場合の注意点は、契約中の料金プランが電力自由化前のものか電力自由化後のものかによって分かれます。
2016年3月までに契約できた、いわゆる「選択約款」で契約している場合
以下のプランが該当します。
・おトクなナイト8、おトクなナイト10
・ピークシフトプラン
・夜得プラン、朝得プラン
・半日お得プラン、土日お得プラン
・おまとめプラン
・電化上手
これらのプランは、東京電力での新規契約受付が終了しています。また転居先で適用することもできません。
上記プランを利用中の場合、東急パワーサプライでは申し込み不可となっています。
なお万一申し込んだ場合、二度と上記プランに戻すことができなくなります。該当プランをご利用の方は十分に注意して下さい。
電力自由化後のスマート契約の場合
東京電力エナジーパートナーが提供するプレミアムプラン、スマートライフプラン、夜トクプラン、スタンダードXなど実量制契約(スマート契約)からの切替は、現時点では対応するメニューが用意されていません。
まとめ
東急でんきは東急沿線に在住、在勤の方に特にオススメです。料金体系の項目でも触れた通り、300KWhまでは東京電力よりも安いとはいえその差は微々たるものです。例えば契約アンペア数が30A、40Aの場合、300kWh使用しても割引額は100円未満です。
むしろさまざまな特典が魅力です。この特典は東急沿線に在住・在勤であり、東急線を日々利用して
いる方が最も活用しやすいといえるでしょう。