電力比較・切り替えサイト:energy-navi

扇風機に潜む火災や事故の危険~2つの原因と4つの対策ポイント~

ご自宅の扇風機、何年ご使用してますか?

暑くなってくると登場する扇風機!「昔から使っていて愛着がある」「まだまだ動くから大丈夫」と古い扇風機をご使用の方は注意が必要です!!

今回は扇風機に潜む火災などの事故の危険性と対処についてお話しします。

はじめに~火を使わないのに火災?~

扇風機は昔からある、使い方もわかりやすい家電です。

そのため安全性は高いと思われがちですが、その一方で毎年扇風機が原因となる火災も発生しています。

中にはけがをしたり、自宅を全焼するといった被害もあります。

そもそも、扇風機は火を使う家電ではありません。では、どうして火災になってしまうのでしょうか。

その原因と防止方法を、これから考えていきましょう。

火災となった主な事例

扇風機では、以下のような事故例があります。

・学校で購入後40年経過した扇風機をつけたところ、扇風機を焼損した。

・工場で購入後36年経過した扇風機から出火、製品及び周囲を焼損した。

・購入後30年経過した扇風機をつけたまま庭で作業中に、扇風機から出火。やけどを負い、住宅も全焼した。

・扇風機を使用したままその場を離れた後、戻ってくると扇風機が燃えており、扇風機本体及び周囲を焼損。またけが人1人発生。

火災となる原因

扇風機が原因で火災となる原因は主に二つです。

まずはこの二つの原因を押さえておきましょう

原因1〜経年劣化〜

初期不良を別とすれば、扇風機での火災はその多くが経年劣化によるものです。

19年以上、特に30年以上の長期使用によって、扇風機に使われている部品の絶縁不良や接触不良が起き、その結果として異常発熱やショートが起きるものです。

また扇風機内部にはコンデンサーと呼ばれる部品があります。この中に含まれる可燃性ガスが経年劣化により噴出し、これに引火して起きる火災事例もあります。

原因2〜電源コードの破損やトラッキング現象〜

もう一つの原因は、電源コードの破損やトラッキング現象です。

電源コードが痛むことにより中の銅線が熱を持ち、コードの被覆を燃やすことがあります。またプラグの差込口にほこりがたまっていると、コンセント差込口で発火するトラッキング現象の原因となります。

本サイト内にも「意外と知らない電源コードの取扱い方と構造 ~事故に遭わないための6つのポイント~」記事がありますので、あわせてご参照下さい。

扇風機での火災を防ぐ4つのポイント!

扇風機で火災が起きるということ、そしてその原因について知っていただいたら、その対策についてお話しさせていただきます。

1.「いつもと違うこと」に注意を6つのポイント

扇風機は古くからある身近な家電であり、そのため製造から数十年経った製品も使われています。

長年使ってきた扇風機に愛着を持つ方も少なくないでしょう。

しかし、異常があれば使用を中止しなければなりません。

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)及び消費者庁では、以下の異常がある場合は直ちに使用を中止し、販売店やメーカーの修理窓口に相談するよう呼びかけています。

1)スイッチを入れても羽根が回らない

2)羽根が回っても異常に回転が遅かったり不規則

3)羽根が回転するときに異常な音や振動がある

4)モーター部分が異常に熱かったり焦げ臭いにおいがする

NITEでは、さらに以下の点にも注意を呼びかけています。

5)電源コードに触れるとファンが回転したり、止まったりと動作が不安定

6)電源コードや電源プラグに傷みがある

上記に示した異常は、たまに発生することもあります。

その場合でも「たまに発生するくらいなのでそのまま様子を見よう」と思わず、販売店やメーカーの修理窓口に相談してください。

2.製造から長期間経過した扇風機は、就寝時や人のいない場所等、目の届かない場所では使用しない

公共の場所で火災発生の原因となった扇風機について、NITEが製造からの経過年数を調べたところ、製造後19年以上が経過した扇風機で火災が発生していました。

従って、製造から長期間経過した扇風機は目の届かない場所では使用しないようにしましょう。

また、就寝時の使用も同様です。万一火災が発生した場合は容易に寝具に燃え移り、大変危険です。

3.メーカーによる定期点検もおすすめ!

経済産業省が創設した長期使用製品安全表示制度により、平成21年4月1日以降に製造・販売された扇風機には点検制度が設けられています。

製品に添付されている「所有者票」等によりメーカーに所有者登録すると、メーカーが定めた時期に点検のお知らせが届きます。

点検は有料となることがありますが、安全に利用するために利用してはいかがでしょうか。

4.思い切って買い替えることも一つの方法です

以下のような扇風機は思い切って買い替えることも、事故を防止する一つの方法です。

1)購入後の保証期間が経過し、使用中に何らかの異常がみられる扇風機

2)購入後、概ね20年以上経過した扇風機

扇風機の中には、3000円以下で販売されている商品もあります。

修理代の方が高くなる場合は、買い替えを選択することもあり得るでしょう。

エコではありませんが、安全には代えられません。

また、平成21年4月1日以降に製造・販売された扇風機には、標準使用期間が表示されています。

これは一般的な使用条件の下で使用した場合に安全に使用することができる期間です。従って、標準使用期間が経過したタイミングで買い替えることも一つの方法です。

4.おわりに~「もったいない」よりも安全第一~

扇風機も機械ですので、いつかは故障します。

以下のような不具合があれば使用を中止し、販売店やメーカー修理窓口に相談して下さい。

1)スイッチを入れても羽根が回らない

2)羽根が回っても異常に回転が遅かったり不規則

3)羽根が回転するときに異常な音や振動がある

4)モーター部分が異常に熱かったり焦げ臭いにおいがする

5)電源コードに触れるとファンが回転したり、止まったりと動作が不安定

6)電源コードや電源プラグに傷みがある

購入してから長い期間使ってきた方の中には、扇風機に愛着を持たれている方もいることでしょう。

上記のような不具合があっても「捨てるのはもったいない。まだ使える」と使い続ける方もいるかもいるかもしれませんが、危険です。

扇風機は今や安価に購入できる時代です。

不具合が起きたら修理はもちろん、買い替えも検討されると良いでしょう。

また、平成21年4月1日以降に製造・販売された扇風機には標準使用期間が表示されています。

この期間を過ぎたら買い替えと判断することも一つの方法です。さらに扇風機の点検制度もありますので、利用してみることも良いでしょう。

扇風機に限らず、家電は安全第一です。「もったいない」よりも安全に扇風機を使うことが何よりも重要です。